北朝鮮の核開発、ミサイル実験は「恐ろしいほど順調」 完全に見誤ったバイデン

国際 韓国・北朝鮮

  • ブックマーク

Advertisement

 3月24日、ついに大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験に踏み切った北朝鮮。新型であれば通常の軌道で1万5千キロ以上を飛行し、アメリカ全土を射程に収める計算だという。

 国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、

「トランプ前米大統領のときに北朝鮮が表明したレッドラインが、核実験とICBMの発射実験だった。米朝間交渉はこれまで何度も決裂してきましたが、それでも北は新型ICBMの発射には手を付けなかった。今回の発射実験で、両国は明らかに新局面に突入したといえる」

 北朝鮮が躊躇なく越えた一線。これについて、

「アメリカは、北を完全に見誤った」

 と断ずるのは、コリア・レポートの辺真一編集長だ。

「バイデン米大統領は、これまで対話路線を模索してきましたが、北朝鮮はすでにアメリカと対話するつもりなどありません。金正恩は徹頭徹尾“アメリカを屈服させる”という姿勢、つまり北の核保有を認めさせることしか頭にない」(同)

 しかも、その工程は恐ろしいほど順調に進められているという。

北朝鮮兵の一部が…

 辺氏が続ける。

「昨年1月の党大会で示した『兵器開発5カ年計画』に沿って、今年初めまでの間に極超音速ミサイルの開発に成功し、今回は新型ICBMの発射実験をクリアした。今後は、標的に向けてミサイルを正確に発射するための軍事衛星、核爆弾の小型化、さらに潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)のための潜水艦、と開発が進んでいくことになる」

 今回の発射実験のタイミングも、アメリカが頭を抱える理由の一つとなっている。

「北がロシアのウクライナ侵攻を意識しているのは明らか。金正恩は、中国とロシアという数少ない後ろ盾を失うわけにはいかず、プーチン政権の存続は自分たちの死活問題に直結する。北朝鮮はベトナム戦争、第4次中東戦争、シリア内戦と、これまでも友好国の戦争に関与してきた過去がある。北の強硬姿勢を見るにつけ、120万人ともいわれる北朝鮮兵の一部がウクライナに入る可能性も排除できません」(同)

 中北露、三つの核保有国に囲まれることになる日本の命運は……アメリカ次第である。

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。