地価上昇率は、全国トップの北海道「北広島市」で不動産を買う人の素性

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 3月22日に公表された地価公示によると、住宅地の上昇率全国ベスト10のうち、なんと上位3位を北海道の北広島市が占めた。同市には2023年3月、日本ハムの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」とマンションやレジャー施設のある「北海道ボールパークFビレッジ」が同時にオープンする。まさにボールパーク効果があらわれた形だ。

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 北広島市は、住宅地上昇率全国トップ10のうち、7カ所を占めた。1位の北広島市共栄町1丁目は、前年比26%上昇。ここは、一般の住宅地だが、西に500メートル行くと、建設中の新球場がある。歩いて7分半ほどだ。

 北広島市は商業地でも上昇率全国1位と2位を独占した。1位の北広島市栄町1丁目は19.6%の上昇だった。

新庄効果はまったくなし

「住宅地で北広島市の共栄町が上昇率全国1位になったのは、投資用のアパートがどんどんできたためです」

 と解説するのは、北広島市の不動産会社社長。

「これまで北広島市は知名度こそあまりなかったものの、札幌まで電車で16分、千歳空港まで21分、新札幌まで6分と交通の便は悪くありません。最近、札幌市の地価が上昇し、札幌のベッドタウンとなっていた北広島の地価も4%ほど上昇していました。そこへボールパーク構想が加わり、2019年に日本ハムの新球場建設が正式に決まってから一気に上昇したのです」

 日ハムに新庄剛監督が就任したことで北広島市の地価はさらに上がったのだろうか。

「そういう話は聞いていません。あの人は、球団の宣伝をしているだけでしょう」(同)

 元々北広島市は、住宅地の建ぺい率や容積率の制限が厳しい地区だという。

「緑豊かな町なので、建ぺい率が40%、容積率は50%ほどとなっています。これだと、ちゃんとした一戸建てを建てるには、80坪の土地は必要です。市内のどの戸建てもそのくらいの広さがありました。ところが最近の地価の高騰で、40坪の土地も売りに出されるようになりました」(同)

 今、北広島市で一戸建ての家を建てると、今や土地代(80坪)も含めて4500万円はかかるという。

「札幌市に住む人の平均年収は400万円台ですので、4500万円はなかなか大変な金額です。そのため今、戸建てやマンションを買っているは道外の人が多いですね。先日、私が担当している一戸建てを買ったのは宮城県の人で、90㎡のマンションを購入されたのは神奈川県の人でした。いずれも高所得者で、セカンドハウスとして使われるようです」(同)

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