ロシア反体制派指導者が暴いた「プーチン」「側近」の腐敗 “甘い汁”を吸う日本人女性とは

国際

  • ブックマーク

Advertisement

12人の売春婦

真相を確かめるため、マレーシアの自宅に電話してIに質問したが、

「コメントは差し控えさせていただきます」

 と言って、通話は一方的に切られた。

 スタッフの日本人女性にまんまとカネをくすねられたとしても、デリパスカにとっては目くじらを立てることではないのかもしれない。なにしろ純資産2600億円超という。ナワリヌイ・レポートに〈18年、デリパスカが12人の売春婦を連れてヨット旅行に行った〉という常識外れの豪遊がスクープされており、アルミ王のあり余る資金力がうかがい知れる。

 同レポートはロシアの独立系メディアが公表した調査報道記事を参照している部分があり、その引用元の記事には、ラブロフは〈6億円以上の高級不動産を所有〉する一方で、愛人のポリャコーヴァは〈モスクワ中心部の高級住宅〉のほか、〈ソチの高級リゾート地に建つアパートメント〉なども所有し、資産総額はラブロフを上回るとされる。

年収は13億円超

 そしてラブロフ以上に財を成したとされるのが、ロシア国営石油大手ロスネフチCEOのイーゴリ・セーチンだ。“ロシアのダース・ベイダー”と畏怖されるセーチンは、プーチンと同じ情報機関出身と噂され、副首相も務めたプーチンの側近中の側近である。

 年収は13億円を超え、モスクワ郊外に70億円の大邸宅を建てたほか、〈妻の名前を付けた1億5千万ドル相当のクルーザーを購入〉したことなどがナワリヌイ・レポートで報じられている。しかし、その豪華クルーザーも今月、押収されたという。

「修理のため南仏の港に停泊中だったところをフランス当局に押収されました。セーチンは他にも、アフリカなどで大型獣を狩るトロフィーハンティングが趣味とされ、キリンやライオンを撃ったとの“伝説”も持つ。実際、会社のパートナーに狩猟で殺した動物で作ったソーセージを好んで贈ることはよく知られています」(前出・特派員)

 元防衛大学校教授で、国際問題研究家の瀧澤一郎氏が話す。

「ロシアの権力者が取る行動はだいたい皆、似通っています。モスクワ中心部に高級マンションを所有し、同時に田舎に何万坪もある宮殿のような別荘を建てる。さらに3千トン級のヨットを持ち、妻や愛人は毎週のようにパリやロンドンに行って買い物三昧……。

 西側諸国の人間から見れば腐敗と映るでしょうが、帝政時代の全体主義から共産主義のソレへと移行した後にソ連崩壊を迎えた彼らにとって、健全な市民社会や統治のありようなどは理解できない代物なのです」

週刊新潮 2022年3月31日号掲載

特集「『プーチン』地獄へ」より

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。