プーチン 「これで人が殺せる」と呟いた…アメフト「チャンピオンリング窃盗事件」
日本の公安警察は、アメリカのCIAやFBIのように華々しくドラマや映画に登場することもなく、その諜報活動は一般にはほとんど知られていない。警視庁に入庁以後、公安畑を十数年勤め、数年前に退職。昨年9月に『警視庁公安部外事課』(光文社)を出版した勝丸円覚氏に、渦中のプーチン大統領がアメフト・オーナーとの間で起こしたトラブルについて聞いた。
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プーチン大統領は、“遅刻魔”として知られる。
2016年12月、安倍晋三首相が山口県で日ロ会談を行った際には、プーチンは2時間40分も遅れて来た。
ローマ教皇フランシスコとの面会では、2013年11月に50分、2015年6月は1時間待たせた。
最も遅刻したのは2014年10月、イタリアのミラノで行われたドイツのメルケル首相との会談で、4時間15分も遅れた。
バイデン大統領には時間通り
この遅刻魔に反発する要人もいた。2014年7月、インドのモディ首相は、1時間遅れたプーチンを待たずに就寝してしまったのだ。
2018年11月、フランスで行われた第一次世界大戦終結100年を祝う式典で、世界から約70人の首脳が集まる中、一番遅れて到着した際は、かなりの批判の声が上がった。
もっとも2021年6月、スイスのジュネーブで行われたアメリカのバイデン大統領との会談では、時間通りにやってきた。逆にバイデン大統領が15分遅刻。関係者を驚かせた。
「プーチンは確信犯です。遅刻することで自分の方が立場が上だと相手に知らしめるのです」
と解説するのは、勝丸氏。かつて公安外事1課に所属していた同氏は、ロシアを担当していた。
「心理的に上に立とうとする狙いです。特に第二次世界大戦の敗戦国は、格下に見ているのではないでしょうか。遅れる時は15分とか20分ではなく、1時間以上待たせることも珍しくない。それくらい長くないと、相手より優位に立てないと思っているのでしょう」
誤解を恐れずに言えば、プーチンは非礼な男ということになる。傍若無人ぶりを示すエピソードは他にもある。
2005年1月、ロシアのサンクトペテルブルクで行われたプーチン大統領とアメリカの経営者との会合でのことだった。
「そこには、アメリカンフットボールの強豪ニューイングランド・ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフト氏が参加していました。ペイトリオッツは2004年の優勝チームでした。クラフト氏はプーチンに優勝チームに贈られるチャンピオンリングを見せたのです」
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