ウクライナ侵攻でもロシアは国際的に孤立していない…新経済秩序が構築される可能性も

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制裁を科さないBRICS

 足元の動きで注目すべきはロシアとともにBRICS(2000年代以降に著しく経済発展を遂げた5カ国)を構成する中国、インド、ブラジル、南アフリカが揃って前述の国連決議を棄権し、ロシアに対する制裁を科していないことだ。

 天然資源や穀物の生産大国であるロシア、ブラジル、南アフリカとともに人口大国である中国、インドを擁するBRICSの枠組みは魅力的だ。BRICSという経済圏が確立され、希少性が高まることが予想されるコモディティーに裏打ちされた通貨を発行するようになれば、現在の主要通貨である米ドルとともに、世界の金融システムを支えるもう一つの柱になるかもしれない。

 世界経済は大きな岐路に立っている。西側諸国の見解に盲従するのではなく、国際社会に起きている兆しを丹念に観察することが何より重要なのではないだろうか。

藤和彦
経済産業研究所コンサルティングフェロー。経歴は1960年名古屋生まれ、1984年通商産業省(現・経済産業省)入省、2003年から内閣官房に出向(内閣情報調査室内閣情報分析官)。

デイリー新潮編集部

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