参院選で窮地の「福山哲郎」前幹事長 立民で心配するのは泉代表だけ…「因果応報」という声

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「今回はさすがに厳しいんじゃないかという声が、党内で日ごとに高まっています」(立憲民主党関係者)。夏の参院選で改選を迎える福山哲郎前幹事長が、”落選危機”と囁かれている。だが、日頃の言動が影響してか、身内で心配しているのは“子分”の泉健太代表くらいだという。

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義理や借りはない

 京都選挙区は二人区。福山氏はこれまでほぼ無風の選挙で、4回連続、自民党候補と議席を分け合ってきた。だが、今回は新たな強敵が立ちはだかると見られている。

「全国に党勢を拡大している日本維新の会です。馬場伸幸幹事長は、次の参院選で初めて京都で候補者を擁立すると明言している。コロナ対策で陣頭指揮をとった吉村洋文大阪府知事の人気は京都でもうなぎのぼりで、いいコマが出せれば上位に躍り出ることは必至です」(地元政界関係者)

 福山氏のほか、自民党からは京都市議の吉井章氏が出馬を表明、さらに古くから京都にシンパが多い共産党も加わった大混戦。この大ピンチに、福山氏に引導を渡すかのような発言をしたのが、国民民主党の代表代行兼選対委員長で、京都2区選出の衆議院議員・前原誠司氏だった。

 今年1月、京都新聞のインタビューで、「国民京都府連としては福山さんに一本化する義理や借りは全くない」「複数区は原則、候補者を擁立する方針」と発言。そして、維新がもし候補者を擁立してきたら、連携に回る可能性も示唆したのである。

「静岡」で揺さぶり

 前出の地元政界関係者が解説する。

「そもそも候補者が決まっていない段階で、福山さんを支援しないと明言すること自体が異常なこと。『何があろうとお前とは絶対に共闘しない』とメンチを切ったに等しい行為でした。『独自候補を擁立する』というのは口で言っているだけで、すでに維新候補を支援するということで手を握っているのでしょう。いまや前原氏は党内でも浮いた存在で、新年度予算案の衆議院での採決で国民民主党が賛成に回るなか、一人だけ反対を主張し、採決を欠席した。いずれ維新に合流するとも言われています」

 そんな窮地の福山氏に助太刀せんと動き出したのが、京都3区選出の衆議院議員でもある立民の泉健太代表である。3月13日、京都市内で開かれた記者会見で、前原氏に向けて「静岡とかに立憲民主党が立ててもよいのかという話になる」と牽制した。京都のように改選数が2議席の選挙区は全国に4つあるが、国民が京都で協力しないというなら、静岡のように国民の公認候補がいる選挙区で対抗馬を出すと脅しにかかったのである。

 だが、この発言について立民党内でも反応は冷ややかだ。

「3年前の参院選で国民の現職候補がいた京都や静岡で対抗馬を立てたのは立民であり、それを決めた人物こそ幹事長だった福山さんです。前原さんは京都新聞のインタビューでこの話を持ち出し、『福山さんを応援する義理はない』と言っていますが、確かにその通りで、先に仕掛けたのはこっち。実際のところ、静岡で候補を出すというのも現実的ではないと思います。前回、国民現職の榛葉賀津也さんに徳川家広さんを立てて負けていますしね」(立民党本部関係者)

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