もし17万人のロシア軍が北海道に侵攻したら…音威子府村で第2師団は全滅、第2のノモンハン事件という現実

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補給が不得意なロシア

 もちろん、他にも様々なシナリオが立案された。

「ロシアの特殊任務部隊であるスペツナズが青函トンネルを占拠する、というシナリオを検討したこともあります。また、青森県三沢市の航空自衛隊三沢基地が急襲されたら、というシナリオもありました。しかし、北海道が対ロシアの主戦場になるという予測は、常に変わりませんでした」(同・軍事ジャーナリスト)

 先に見た読売新聞の記事の通り、ロシアの上陸先は、

《〈1〉稚内正面〈2〉日本海側の天塩正面〈3〉オホーツク海側の浜頓別、枝幸正面》

という予想は今も変わっていないという。

「ロシアは極東に『自動車化狙撃師団』を配置しています。戦車、自走砲、歩兵戦闘車、装甲兵員輸送車などで構成された師団で、今回のウクライナ侵攻に動員されたという報道もありました」(同・軍事ジャーナリスト)

 この「自動車化狙撃師団」が北海道侵攻の主力となる。更に、ウラジオストクからロシア版の“海兵隊”を輸送する可能性があると予想した。

「ただ、今回のウクライナ侵攻でも報じられたように、ロシア軍は補給が得意ではありません。少なくとも90年代の防衛庁は、そのことを分かっていました。本来は『北海道を完全に占領するには17個師団が必要』だと計算した上で、ロシアにそれだけの大軍を送り込む力はないと分析したのです。ちなみに1個師団は、国によって人員は違いますが、だいたい1万人という数字になります」(同・軍事ジャーナリスト)

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