もし17万人のロシア軍が北海道に侵攻したら…音威子府村で第2師団は全滅、第2のノモンハン事件という現実

国内 社会

  • ブックマーク

Advertisement

防衛省のシナリオ

 この記事によると、当時の防衛庁は「ソ連=ロシア侵攻」を次のように予測していたという。

《「北海道有事」の場合、予想される侵攻地点として、〈1〉稚内正面〈2〉日本海側の天塩(てしお)正面〈3〉オホーツク海側の浜頓別(はまとんべつ)、枝幸(えさし)正面――の三地点を「上陸適地」として具体的に挙げ、これに対する迎撃拠点は「音威子府」(おといねっぷ)周辺としている。》

 軍事ジャーナリストが匿名を条件に、自衛隊の「対ロシア作戦」について取材に応じてくれた。

「防衛省はこれまで、ソ連やロシアが日本に侵攻する可能性を、様々なシナリオで検討してきました。例えば、1994年に作成された計画があります。91年にソ連が崩壊し、ボリス・エリツィン(1931~2007)が新政府の大統領だった時代です。この時、当時の防衛庁は、ソ連崩壊を元にシナリオを立案したのです」

 そのシナリオは、ソ連の崩壊によりロシア国民の不満が増加。政府は“新天地”を求め北海道に侵攻するというものだった。

「当時の弱体化したロシアだと、NATO(北大西洋条約機構)軍に勝てるはずもありません。シナリオでは、東欧諸国で“反ロシア”のデモ行動が激化。ロシアの首脳部は西側への侵攻を諦め、『アメリカから距離の遠い』日本の北海道を狙うというシナリオを立案したのです。北海道を占領して、ロシア国民が戦勝を歓迎。大統領の支持率が上がり、かつての東側諸国への睨みもきかせられるという見立てです。今の状況と照らし合わせても、なかなか興味深いシナリオだと思います」(同・軍事ジャーナリスト)

次ページ:補給が不得意なロシア

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[2/6ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。