ミサイル発射でロシアを支援… 北朝鮮がウクライナ侵攻で得た最大の教訓とは

国際 韓国・北朝鮮

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 北朝鮮は、ロシアのウクライナ戦争四日目の2月27日に今年12発目のミサイルを発射した。明らかに、ロシアを側面支援する行動で、ウクライナ侵略と連携しており、北朝鮮の核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験再開の危険が高まる。北朝鮮は、ウクライナは核を放棄したからロシアの侵攻を受けたとの教訓を得ており、核兵器を手放さない決意を改めて固めた。

 北朝鮮は、北京冬季オリンピック直前の一月初めから、7回11発のミサイル発射を行った。最初の2発は、極超音速ミサイルだと発表したが、米国の専門家は極超音速ミサイルの技術水準に達していない、と評価した。韓国国防省も当初は「極超音速ミサイルでない」と表明したが、北朝鮮に忖度したのか後に態度を変えた。

 11発目は、1月30日の中距離ミサイルの発射で、さすがに中国も反発し北朝鮮弁護のコメントをやめた。というのも、国連総会は昨年12月に「北京五輪期間(1月28日~2月20日)の紛争停止」を決議していた。この決議は中国の提案だったから、中国は明らかにメンツを潰されたのに、当初は「関係諸国は刺激しないように」と北朝鮮を弁護していた。

 実は中国は、最初のミサイル発射直後に、およそ一年半ぶりに北朝鮮の貨物列車を受け入れ、支援物資を積み込んでいた。北京五輪前のミサイル発射は、明らかに中国のメンツをつぶす行為だった。このため、北朝鮮の意図を「支援物資を出さない中国への反発」とみたが、11発の発射は余りにも多すぎた。中国は支援物資を送るのを再び中断した。

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