北京五輪アプリ、インストールすればハッキングされる? 遅れた日本政府の対応
開幕から2週間近くが過ぎたいまも、北京冬季五輪では専門家による懸念が放置されたまま。中国がすべての参加者に利用を義務付けた、公式アプリの“罠”である。
【写真6枚】映画監督「チャン・イーモウ」が手掛けた開会式の模様
「参加国の選手やスタッフ、メディア関係者は、自分のスマホに『MY2022』というアプリをインストールしなくてはならないのです」
とは、とあるJOC幹部。
「期限は北京入りの14日前までで、名目はコロナウイルスまん延防止のための健康管理。直近の体温や健康状態をはじめ、パスポート情報、過去の病歴、海外への渡航歴などの情報の入力も必須です。ところがこのアプリには、写真やメール、SNSでのやり取りなど、スマホに保存されているあらゆる情報を外部に流出させかねない、重大な脆弱性が指摘されているんです」
実際、選手をサポートする日本企業も危機感を募らせている。国内屈指のホワイトハッカー集団として知られる、レオンテクノロジー社の守井浩司代表は言う。
「企業関係者が気にしているのは、大会期間中における攻撃と被害の有無と、北京で使ったスマホを帰国後も利用して大丈夫か、という点。公式アプリについては、攻撃者が簡単に通信を傍受することを可能とする脆弱性も存在するようです。仮にリモートによるスマホへの不正アクセスが可能であれば、アプリとは別にマルウェアを仕込まれ、ハッキングなどの被害が続く可能性も否定できません」
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