元公安警察官は見た 日本を震撼させた韓国工作員による「新潟日赤センター爆破未遂事件」

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日本の弱点が露呈

 12月13日、巨済島から出港した工作船が、広島県呉港へ。十数名の工作員が日本に潜入したという。

「沈没した工作船に乗っていた工作員も含めると、把握しているだけで50人弱の韓国人が事件に関わったとみられています」

 ところが、1960年3月の韓国の大統領選挙で大規模な不正選挙が発覚、4月に民衆デモ(四月革命)が起こり李承晩大統領が失脚すると、日本での工作活動は急に下火になったという。

 警視庁外事課と各県警の連携に問題を残したが、爆破事件を未然に防いだことは、高く評価されたという。

 もっとも、この事件で日本の弱点が露呈した。

「かなりの数の韓国工作員が日本に上陸。日本の海岸線がいかに無防備であったか、世界に知らしめることになりました。日本は海岸線が長く、すべて防衛することが不可能です。北朝鮮の帰還事業に協力したのに、その恩を仇で返すように、その後、北による日本人拉致事件が始まりました」

勝丸円覚
1990年代半ばに警視庁に入庁。2000年代初めに公安に配属されてから公安・外事畑を歩む。数年間外国の日本大使館にも勤務した経験を持ち数年前に退職。現在はセキュリティコンサルタントとして国内外で活躍中。「元公安警察 勝丸事務所のHP」https://katsumaru-office.tokyo/

デイリー新潮編集部

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