「発達障害」「うつ」の原因にもなる「腸漏れ」とは? 有害物の脳への“漏れ”を防ぐ食事術

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炎症を促進する食品は?

 反対に炎症を促進するのが、コーン油、ダイズ油、ベニバナ油、ヒマワリ油などで、その主成分はリノール酸というオメガ6系だ。腸を炎症から守るポイントは、オメガ6系の摂取をできるだけ減らし、オメガ3系を積極的に摂ることである。

 オメガ6系を避けるという意味では、炎症を起こさないオリーブ油やアボカド油などのオメガ9系を摂るのもよい。

 日本でも小さいながら動きがある。教育研究家の七田厚氏が主宰する「しちだ・教育研究所」の取り組みだ。ASDの子供たちの腸内細菌を育むために食物繊維やオメガ3系を積極的に摂取させることで、子供たちの行動に改善が見られたとの報告が21年に寄せられた。

 ASDに代表される発達障害児の行動や症状の改善を得るために、是非とも腸内環境を改善する食事を採用したいものである。

生田 哲(いくたさとし)
薬学者・評論家。1955年、北海道生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)などの博士研究員を経て、イリノイ工科大学助教授(化学科)。現在は日本で、生化学、医学、薬学、教育を中心とする執筆活動と講演活動、脳と栄養に関する研究とコンサルティング活動を行う。

週刊新潮 2022年1月20日号掲載

特集「ここまで分かった『長寿の源は腸内環境』 気づかぬうちに腸から異物が全身に! 『発達障害』『うつ』『アレルギー』の真因 『腸漏れ』を防ぐ術」より

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