「発達障害」「うつ」の原因にもなる「腸漏れ」とは? 有害物の脳への“漏れ”を防ぐ食事術

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 リーキーガット? 聞きなれない言葉だが、「腸漏れ」と訳され、腸の細胞の間隔が緩み、異物が血管内に漏れ出す状態のこと。誰にでも起こりうる症状でそれが多様な病気の原因になっているという。どうすればその「万病の元」に気づき、防ぐことができるのか。【生田 哲/薬学者、評論家】

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〈うちの4歳の長男が自閉症のようで、親からの呼びかけにほとんど反応せず、自分の世界に閉じこもっている。他の子たちと遊びたがらない。笑わない。他の人と目を合わせないし、触られるのも嫌がる――〉

 あなたのまわりにもこのように悩む親御さんがいないだろうか。発達障害の代表ともいえるASD(自閉スペクトラム障害)の症状である。近年、日本を含めた先進諸国でこうした子供が激増しているのだ。

 文部科学省によると、ASDの発症者は、調査をとり始めた2006年は3912人、16年は1万5876人、そして19年は2万5635人となっている。日本でも13年間におよそ6.5倍にも膨れ上がっているのだ。

 ASDは1943年にアメリカの精神科医レオ・カナーによって発見されて以来、精力的に研究されてきた。にもかかわらず、社会性の欠如、同じ動作をくり返すといったASDの特徴的な症状を治療する薬として承認されたものは、いまだ一つもない。

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