高校サッカーの「グルグルフリーキック」日本代表も導入すべき? 専門家の声は

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 第100回となる全国高校サッカー選手権が開催された。話題をさらったのは山口県代表の高川学園。とにかくセットプレーのクセがスゴい。

 まずフリーキックを受ける方の選手5人が手を繋いで、輪を作る。その輪がグルグルと回り始める。“かごめかごめ”で遊ぶときのように。何回転かすると突然パッと弾ける。つまり、選手たちが四方に散らばる。敵が混乱している間に、マークを外した選手がボールを受けてシュートするという作戦だ。1回戦はこのプレーが見事に決まり、名門星稜を4-2で撃破。2回戦では、3人の輪を二つ作るという進化版を披露して、岡山学芸館を2-1で粉砕。3回戦仙台育英戦、準々決勝桐光学園戦もセットプレーからの得点により1-0で勝利し、ベスト4に進んだ。

 スポーツ紙は“グルグル円陣フリーキック”などと囃し立てる。海外にも動画が拡散し、世界各国のサッカーファンやメディアが絶賛している。

 同校サッカー部ツイッターによると、選手たちが考案したこの作戦は「トルメンタ」と名付けられているのだとか。“嵐”という意味のスペイン語だ。

「日本代表でも採用したらどうでしょうか」

 と真顔でスポーツ紙記者。

 かつては中村俊輔や遠藤保仁、本田圭佑ら職人肌のフリーキッカーが世界を魅了する芸術的な円弧を描いてみせたものだが、残念ながら今の日本代表に絶対的なキッカーは存在しない。

「うまいキッカーがいない上に、高川学園のような創意工夫もない。W杯本戦など格上と戦う際にはセットプレーからの得点が不可欠なんですけどね」

週刊新潮 2022年1月13日号掲載

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