独特なルックスに注目集まる「Osaka Metro」新型車両 見た目だけじゃない新しさ

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万博に向けた延伸への課題

 万博の開催を機に、Osaka Metroは中央線コスモスクエア―夢洲(仮称)間3,190メートルの延伸を予定している。すでに海底トンネルができあがっており、線路の敷設、駅の建設を待つ状況である。

 Osaka Metroはすでに夢洲駅のイメージパースを公表しているが、意外な課題もある。コスモスクエア―夢洲―新桜島(仮称)間は、大阪港トランスポートシステム(以下、OTS)が第1種鉄道事業者(自社が鉄道線路を敷設し、運送を行なうとともに、線路容量に余裕がある場合に限り、第2種鉄道事業者に使用させることができる)であることだ。

 現在の中央線である大阪港―コスモスクエア間、現在の南港ポートタウン線である中ふ頭―コスモスクエア間は、OTSが第1種鉄道事業者として1997年12月18日に開業した。しかし、コスモスクエア方面へは大阪市営地下鉄とOTSをまたがっての利用となることから、運賃が割高で客足が伸び悩み、赤字がかさんでしまう。そこで、2005年7月1日から運行業務を大阪市営地下鉄に移管し、運賃の一元化を図ったのだ。

 これに伴い、OTSは第3種鉄道事業者(鉄道線路敷設後、第1種鉄道事業者に譲渡、もしくは第2種鉄道事業者に使用させる事業で、自社は運送を行なわない)、大阪市営地下鉄は第2種鉄道事業者(第1・3種の鉄道事業者が敷設した線路を使用して運送を行なう)にそれぞれ役割が変わった。現行の体制をアパートに例えると、OTSが「大家」、Osaka Metroが「借主」となる。

 延伸が予定されているコスモスクエア―夢洲間はどうなるか。Osaka Metroによると、運行形態については「関係機関と協議中です」とのこと。Osaka Metroが既存区間及びコスモスクエア―夢洲―新桜島間を引き継ぐのか、それともOsaka Metroが第2種鉄道事業者、OTSが第3種鉄道事業者として延伸開業を迎えるのかが協議の焦点になるだろう。

終電の積み残しを避けたい万博ダイヤ

 万博開催時には列車の大増発が必要なことから、Osaka Metroは2022年より30000A系を10編成導入。中央線で営業運転を開始し、万博終了後は谷町線に移る。

 1970年の万博では、御堂筋線―北大阪急行電鉄の万国博中央口間がメインルートとなった。特に利用客が多く見込まれた休日ダイヤ(当時は日曜日と祝日)の新大阪―万国博中央口間は、最短2.5分間隔で運転されていた(参考までに平日朝ラッシュ時は4.5分間隔)。

 ところが思わぬ誤算もあった。開催終盤の9月5日(土曜日)、約10万人が万国博中央口23時36分発の終電に乗れなかったという。急きょ1時20分発の臨時あびこ行きを設定したが、全員乗り切れるはずもなく、大半が徹夜で早朝の電車を待つしかなかった。

“積み残し”を避ける意味でも、2025年の万博ではOsaka Metro全路線の終電繰り下げが考えられる。ただ、深夜の保守作業を考慮すると、休日ダイヤに限定されると思う。仮に繰り下げるなら、2時台までの延長が考えられる。

 参考までに2020年1月24日(金曜日)深夜、御堂筋線で終電延長の実証実験が行なわれ、2時台まで運転された。Osaka Metroによると、1・2時台の利用客は約4,000人だという。15分間隔の運転や他社線などの接続がなかったとはいえ、利用客は多いと思う。

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