独特なルックスに注目集まる「Osaka Metro」新型車両 見た目だけじゃない新しさ

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400系のインテリア

 インテリアは明るく、中吊り広告を挟むバインダーを廃したことで、落ち着いた雰囲気を演出している。各乗降用ドア上にLCD式2画面(液晶モニター)による旅客情報案内装置を設けている。

 先頭車(1・6号車)はユーティリティスペースと称し、USB専用のモバイル用電源つきカウンターを設置している。近年は高速バスや東横インの新店舗などにもUSB専用の充電コネクターが設置されており、時代の流れに乗った恰好といえる。イメージパースを見る限り、乗務員室付近と隣の車両付近に設けられている。

 1~3・5・6号車のロングシートは1席ごとに色分けすることで、座席定員通りの着席を促進している。背もたれも昨今流行のハイバック式で居住性を向上。車端部は3人掛け、それ以外は5人掛けで、30000系を踏襲している。着座幅も30000系と同じ470ミリだろう。

 4号車は1人掛けのクロスシートが並び、向きは固定されている。通路幅を確保することで、日中はキャリーバッグなどが置きやすいと思う。

 このほか、各車両に車椅子やベビーカーに対応したフリースペースを設置。各車両への設置は大阪市営地下鉄時代の1992年(当時は「車椅子スペース」)から実施されており、早くから交通弱者に対する思いやりが行き届いている。

 吊り手にも注目だ。首都圏の車両と同じ三角形ながら、向きが異なる。首都圏及び、長堀鶴見緑地線や今里筋線の車両は、座席部分の吊り手が枕木方向(進行方向に対して垂直)、通路部分がレール方向(進行方向と並行)であるのに対し、400系は逆なのだ。

 試しに首都圏のある車両で三角形の吊り手を握ったところ、枕木方向が握りやすい。400系デビュー後、乗客の反応に注目したい。

 400系は2023年に登場する予定だ。後述の延伸に伴う輸送力増強もあり、既存車両の20編成(20系15編成、24系5編成)を上回る23編成を導入する。これに伴い、既存の20系は廃車、24系は4編成を谷町線に、1編成を四つ橋線に転用し、輸送力増強を図るものと思われる。

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