「値段は約2200万円」 来年、普通のサラリーマンが宇宙旅行へ 10年以内に費用は数百万円に

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「金持ちの道楽」だと斬って捨てる声もある実業家・前澤友作氏(46)の宇宙旅行だが、来年には一介のサラリーマンが日本から旅立つと聞けばどうだろう。「休日はロケットでちょっと宇宙まで……」。そんな時代が到来したら、あなたは夢のチケットを購入するだろうか。

「宇宙なう」「着いちゃったよ」「(地球は)マジで丸いし、マジで青いです」など、彼らしい発言で注目を集める前澤氏。日本人初の民間宇宙旅行者として国際宇宙ステーション(ISS)に滞在し、12月20日に地球へと帰還した。

 米・CNNなど複数の海外メディアの報道によれば、今回の宇宙旅行にかかった費用は約100億円。前澤氏に同行するアシスタントの費用も含まれており、1人あたり約50億円が支払われているとみられる。

 これを「金持ちの道楽」だと朝の情報番組で発言し、炎上したのはテレビ朝日社員でコメンテーターを務める玉川徹氏だったが、当の前澤氏はISSから「お金で夢をかなえるのはいいと思う」と反論。ネットを中心とした人々の反応をみても、大半が“子供の頃からの夢を実現して羨ましい”といった擁護の声で溢れる。

 かつて山本夏彦翁が「何用あって月世界へ?――月はながめるものである」と書いたのも今は昔、相応のお金を払えば、誰もが宇宙へ行くことができる時代となったのは確かだ。

来年サラリーマンが宇宙へ飛び立つ計画が

「2021年は“宇宙旅行元年”だったと言ってよいのではないでしょうか」

 とは、宇宙関連産業に詳しい宇宙ビジネスコンサルタントの大貫美鈴氏だ。

「今年7月、アマゾン創業者のジェフ・べゾス氏らが立ち上げたブルーオリジン社が有人宇宙旅行を成功させたのに続き、9月にはテスラCEOのイーロン・マスク氏が率いるスペースX社も民間人4人を乗せた3日間に及ぶ地球周回飛行に成功。今回の前澤さんの国際宇宙ステーション滞在を含めれば、まさに新しい宇宙時代の幕開けを象徴する1年だったと思います」

 さらには来年後半にも、日本から民間人が宇宙へ飛び立つ予定がある。前澤氏の後塵を拝すとはいえ、職業は会社勤めのサラリーマン。“お金配りおじさん”とは違い、いわば我々庶民と変わらない立場から初めて宇宙へ向かうというのだ。

「今の会社に入社した際、役員会議で私が宇宙に出かけてもよいかという議案が提出されたんです」

 と話すのは中小・中堅企業を中心に経営コンサルティングを行う船井総合研究所(本社・大阪)で、シニアプロフェッショナルを務める稲波(いなみ)紀明氏(44)だ。

「幸い弊社は宇宙旅行を前向きに捉えてくれ、無事に了承を受けました。具体的な日程が決まれば、有給休暇を利用して出かける予定です。もともと宇宙旅行に応募したのは05年で、私が前職の日本IBMに勤務していた28歳の時でした。学生時代は宇宙物理学を専攻していたこともありますが、直接のきっかけはネットニュースで宇宙旅行に関する記事を見つけたこと。それで興味を持ち、ツアーを主催するヴァージン・ギャラクティック社の日本代理店であるクラブツーリズム(現在はクラブツーリズム・スペースツアーズ)に申し込んだのです」

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