「紀州のドンファン殺人事件」マスコミの前から忽然と姿を消した「家政婦」が“暴露本”を出版

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突然、記者たちの前から姿を消した

 そんな事件を知るキーパーソンが、とうとう“暴露本”を出版するという。その噂は半年前から駆け巡っていた。記者はその情報をキャッチし、双葉社の担当者に直撃したが、当時は「まだ決まっていません」と答えるのみだった。

 これだけ世間に知られた重大事件なのだから、出版社としてはもっと早く出したかったであろう。この間、何があったのか。

「キーパーソンは、木下さんの娘さんだと思います。娘さんはかつて大手レコード会社に所属する歌手でした。出版話も彼女が進めていたと聞いています」

 こう語るのは、この事件を追いかけ続けてきた記者だ。

「19年の春先まで、木下さんは銀座のスナックで働いていて、いろいろな社の記者たちとどんちゃん騒ぎを繰り広げていました。けれど、しばらくすると急に店から姿を消し、電話も通じなくなったのです。おかしいと思って調べると、娘さんが間に入り、私たちとの間を遮断していたことがわかった。娘さんは、事件が起きた時は海外にいたのですが、帰国してから母親が大変な騒ぎに巻き込まれていると知って、怒り出したというのです。彼女の携帯を奪い取り、片っ端から知り合いの記者を着信拒否に設定してしまった」

認知症の傾向

 記者は「本当に彼女が本を書けるような状態だったか疑問です」と続ける。

「発生当時は話がしっかりしていたんですが、途中から言っていることがコロコロ変わってきた。明らかに認知症の傾向があったので、私たちも証言として使わないようにしていました。とても彼女自身が、本をまとめられるような状態だったとは思えません」

 すでに双葉社のホームページには、出版情報がアップされている。タイトルは「家政婦は見た! 紀州のドン・ファンと妻と7人のパパ活女子」。紹介文にはこうある。

〈2018年5月24日に起きた「紀州のドン・ファン」こと資産家・野崎幸助氏の怪死事件。約30年間にわたり、野崎氏を支えてきた家政婦が初めて明かす、事件当日の状況とドン・ファンを取り巻いた“パパ活女子”たちの生態。芸能人、美人アスリート、モデル、東大生――“上級プロ彼女”が身を投じた「愛なきSEX」の末路とは。〉

 タイトルからして、つい手に取りたくなる一冊だが、果たして事件の真相にどこまで迫っているのか。

デイリー新潮編集部

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