巨人・原監督の「3年契約」のカラクリ 来季V逸でも日本一でも勇退があり得るワケ

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1番候補は飽和状態でも日ハム・西川獲りも

 巨人に静かなオフは似つかわしくないようだ。日本ハムから自由契約となった西川遥輝外野手の獲得調査に巨人が乗り出し、水面下ではすでに契約合意間近との情報も飛び交っている。通算311盗塁、計4度の盗塁王獲得を誇るの韋駄天を、近年固定できずウィークポイントとなっているリードオフマン(1番打者)として据えようと目論んでいるという。しかし、この動きをめぐって、編成面でも決定権を握る全権監督・原辰徳氏の「3年契約」についてカラクリがあるという指摘が聞こえてきた。

 言うまでもないがチームには、26歳の松原聖弥や昨オフに獲得したベテランの梶谷隆幸(共に外野手)も在籍している。今季いずれも安定した活躍を残せなかったとはいえ、1番打者候補は明らかに飽和状態。西川の獲得にはチーム内外で疑問を向ける声が少なくない中、編成面でも決定権を握る全権監督の原辰徳氏は柳に風とばかり、まったく意に介することなく水面下でゴーサインを出している。

 一方で指揮官は、自らに関わる“口撃”に対しては相当に神経を尖らせ、強い憤りも覚えているようだ。チームは今季リーグ3位に沈み、3年ぶりの借金でレギュラーシーズン終了。CSもファイナルステージで、ヤクルトに1勝もできないまま敗退を喫するなど屈辱にまみれた。批判されるのは仕方ないのでは、というのが普通の見方だろうが――。

巨人OBの采配批判に過剰反応

 今年で3年契約の最終年だった原監督は責任を取る意味でも退任濃厚と見る向きが強かったが、レギュラーシーズン本拠地最終戦の10月23日に山口寿一オーナーが報道陣に「続投を要請して内諾を得た」と明言。さらに11月15日のオーナー報告後には、指揮官自身が来季からの3年契約を提示されて受諾したと明らかにしている。

 大方の予想を覆しての来季続投。しかも、V逸したにもかかわらず異例の長期3年契約締結となったことで球界内はもちろん、熱烈なG党の間からもネットやSNS上を中心に驚きの声が湧き起こったのは記憶に新しいところだ。

 実は、この唐突な感じも否めない「3年契約発表」の背景には、「原監督の“意趣返し”も込められている」と指摘する声がある。

 チームの内情にも詳しい、巨人の球団関係者が次のように話す。

「球界の重鎮で巨人OBの広岡達朗氏や、かつてヘッドコーチとして巨人で原監督とタッグも組んでいた元西武、オリックス監督の伊原春樹氏、巨人OBで完全試合も達成した高橋善正氏ら大物たちが、レギュラーシーズン後半戦辺りから原監督の采配批判を強めていた。10月末に山口オーナーが続投を明言したことにも噛みつき、メディアを通じて原監督に『自ら辞任すべき』などと歯に衣着せぬ毒舌とともに鋭い舌鋒を向けていたのです。こちらの立場上あまり大きな声では言えないですが、広岡氏や伊原氏、高橋氏らの主張はいずれも『ごもっとも』の指摘ばかりでしたね」

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