巨人・原監督の「3年契約」のカラクリ 来季V逸でも日本一でも勇退があり得るワケ

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あれは、どういうつもりなんだろうか

 それが証拠に、ネットやSNS上の反応もほぼ同意するコメントで埋め尽くされ、炎上状態となっていた。これにカチンときていたのが他ならぬ原監督だった。

「チーム内の関係者や周囲に『あれは、どういうつもりなんだろうか』などと露骨に不満を漏らしていたと聞いています。オーナー報告を終えた後に長期契約を提示されたこともさることながら、原監督自らが詳細に『3年契約』の内容までわざわざ公言したのも異例と言えば異例。あえて世間も驚く長期契約の詳細を明らかにすることで、自らへの批判を繰り返していた広岡氏や伊原氏、高橋氏らを黙らせ、口封じにつなげようと狙ったのではないかとささやかれています」(同)

 確かに全権監督ならば、自らの処遇に関してもコントロールは概ね可能だ。一説には、「球団の基本的な方針として原監督本人が辞意を申し出ない限り、延々と契約が更新されていく」といった見方もあるほど。監督としての通算勝利数を過去最多にし、神様・川上哲治を超えた今、その説はさもありなんという感じがしなくもない。

 ただ、この「3年契約」についてもカラクリがあるという。前出の球団関係者は「実際のところ巨人では長期契約などあってないようなもの。そこは原監督も当然承知している」とも補足する。

V逸でも日本一でも勇退はあり得るワケ

 この関係者が続ける。

「作戦兼ディフェンス面を担当する阿部慎之助コーチに早ければ2023年シーズンからバトンを渡す可能性は十分あります。阿部コーチは二軍監督時代の“行き過ぎた指導法”などがヤリ玉に挙げられ、来季一軍監督昇格こそ時期尚早と結論付けられたが、現在も間違いなく不動の“ポスト原”筆頭です」

 今季終盤、二軍監督から一軍スタッフへ配置転換されたのも原監督が帝王学を学ばせようと判断したからに他ならない。

「原監督の契約には、次期監督に禅譲するタイミングが訪れたなら3年を待たず引き継ぐという条件があるようです。だから、これまで通り毎年が勝負ということに何ら変わりありません。さすがに来季もV逸、CS敗退となればファンも今年以上に黙ってはいないだろうし、球団内や親会社の読売新聞グループ本社からもハレーションが湧き起こるのは必至。いくら全権監督でも抑え切れなくなることぐらい、さすがに原監督も分かっている。もしくは逆にリーグV奪回、日本一を達成したところで3年契約満了を待たずして自ら勇退することもあり得るでしょう」

 そもそも明らかにしなくても良かったように映る、形式的な「3年契約」。それをあえて強調した原監督の胸中に去来したのは、どういうものだったのだろうか。

デイリー新潮編集部

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