一律50円運賃、ベビーカーシェアリング… 頼りない行政よりも先を行く鉄道事業者の子育て支援
菅義偉前首相の肝煎り政策でもあったデジタル庁とこども庁は、大きく明暗が分かれた。前者は発足からバタつきが目立つものの、在任中に実現へと漕ぎつけることができた。一方、後者は省内調整の遅れによって、今年度中の発足を見送ることが決定。2023年度まで先送りされる。
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近年は少子化が加速しているにもかかわらず、待機児童問題が深刻化。矛盾しているような風潮にも思えるが、これは子育てをはじめとする社会環境が激変していることを物語っている。
目まぐるしく変わる子育て環境に対して、硬直化している行政がついていけるはずがない。そのため、対策は後手後手に回っている。
そうした遅い対応の行政を尻目に、民間企業は少しでも人手を確保するべく、子育て支援に力を入れる。民間企業が子育て支援に力を入れるのは、なによりも人手不足といった要因が大きい。これまで結婚・出産を機に退職せざるを得なかった女性たちが子育て支援によって在職が可能になり、それはキャリアロスを防ぐ。企業にとっても労働者にとってもwin-winの関係を築くことができるわけだ。
鉄道各社はこうした企業のトレンドを敏感に捉え、子育て支援につながる施策を次々と打ち出す。
特に子育て支援に力を入れているのが、JR東日本とJR東海、そして大手私鉄の小田急電鉄だ。新宿駅をターミナルにしている小田急は、このほど子育て応援ポリシーを策定。その方針に基づいて、来春からIC乗車券利用の小児運賃を全線で一乗車一律50円へと改定することを発表した。小田急が大胆な運賃の値下げを発表したことは、沿線住民や鉄道ファンを激しくザワつかせた。
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