映画・ドラマ制作者3人に聞いた「うまい演技とは何か」「うまい俳優の実名」

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「うまい俳優はこの人」。そんな記事は昔からあるが、不思議と選者はドラマや映画のウォッチャーをはじめとする制作とは無縁の人が中心。映画、ドラマのプロが選んだら、どんな結果になるのか? 3人の識者に「うまい演技とは何か」と「うまい俳優・女優は誰か」を聞いた。

 まず語ってくれたのは中島貞夫監督(87)。「懲役太郎 まむしの兄弟」(1971年)や「日本の首領シリーズ」(1977年)などを撮った名匠で、東映黄金期を支えた1人。

「(今年3月に亡くなった)田中邦衛さんはうまかった。邦さんのことを『うまいのか下手なのか分からない』などと言う人がいますが、間違いなくうまかった」(中島監督)

 監督自身、うまさに惚れ込み「暴動島根刑務所」(1975年)などに起用した。どこがうまかったのか?

「まず演技を自然に見せられた。よく『演技が自然』と表現する人がいますが、それは正しくない。演技は自然なものではないのですから。『自然に見せられる人』がうまいんです」(同)

 その上、田中さんはどんな役でも演じられる人だったという。

「邦さんは俳優座出身で、演技の基礎が出来ていましたからね。また、役を自分でどんどん面白くすることも出来た」(同)

 田中さんが1981年から2002年まで続いた「北の国から」(フジテレビ)に黒板五郎役で出演したのは知られている通り。

「五郎役にも邦さんはハマりましたよね。しかも邦さんにしか出来ない役になった。その点でもやはり名優でした。また長い期間、観ていられる俳優でもあり、これも偉大だったと思います」(同)

 長く観ていても飽きさせないのも名優の証しなのだという。

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