「朝鮮総連ビル売却」「ロシア投資詐欺」にも関与…1億流用で逮捕の74歳「元自民党参院議員」の正体

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詐欺に深く関与

 政治家としての経歴と逮捕容疑との落差には、改めて驚かされる。だが、山内容疑者が怪しげな出資話の片棒を担ぐ姿を、以前から週刊新潮は報じてきた。

 まだ山内容疑者が文科副大臣だった時、週刊新潮は2009年6月11日号で以下の記事を掲載した。

「[特集]麻生政権を直撃!!『ロシア投資詐欺』の舞台装置を務めた自民党『山内俊夫』文部科学副大臣」

 ロシア投資を謳い出資を持ちかけていたのは、三重県にあった有限会社A。社長はロシア人、副社長は日本人という組み合わせだった。

 ロシア人社長はKGB出身で、ロシアでは副首相格という触れ込み。副社長は「自民党大物代議士の秘書」だった過去があったと自称し、“政界に顔が利く”と公言していたという。

 記事には被害者が登場し、投資話を信じてしまったのは、山内容疑者と議員会館で面談したからだと訴えた。

 被害者は《自分が開発した汚泥を肥料に転換する水熱処理装置》を開発し、会社を経営していた。2008年初めに有限会社の関係者からロシアビジネスへの出資を持ちかけられ、山内容疑者を紹介されたという。

《「山内先生の議員会館の部屋で会いました。B氏(註:有限会社の関係者。原文では実名)らは、山内議員に対し“ロシアでのビジネスを大々的にやります”と話し、その一方、私に対しては“この先生が付いているから大丈夫”“私たちを政界でバックアップしてくれる人”と説明していました」》

副大臣室が詐欺話の舞台

 A社側が説明したロシアビジネスのスケールはとてつもなく大きく、もし山内容疑者という政治家を“後ろ盾”と紹介されなかったとしたら、到底信じられなかったという。

《「10年間で総額60兆円規模のプロジェクトです。石油の採掘や精製工場の建設、ゴミ処理場の整備。自動車道路やモスクワ─サンクトペテルブルク間の新幹線整備などのインフラ関連もあった」》

 08年の8月には、ロシアの国会議員団が山内容疑者を訪問。文科省の副大臣室で面談した。週刊新潮は山内容疑者が中央に鎮座し、ロシア人と談笑している写真を掲載した。

《「山内氏は終始にこやかな表情で“ロシアは資源大国、日本と上手に付き合わねばならない”と話していた。また、ロシア側からは“副大臣を日本政府の代表として招待したい”と提案がありました」》

《表敬訪問は、30~40分程で終了したが、「山内氏が、怪しい連中を副大臣室に通すはずがありません。私はこの表敬訪問に参加して、やはりA(註:有限会社の名称。原文では実名)の計画は本物だと考えるようになったのです」》

 記事ではA社の投資話に関して、東京のロシア通商代表部に数回苦情が寄せられていることも紹介している。

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