日本人はマスクを外せなくなる? コミュニケーションに起きている異変…「顔学」の第一人者が警鐘

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人間と猿の違いは

 同時に、顔から毛がなくなっていき、一番見えやすいところにある顔が一層、コミュニケーションの鍵となります。その後、人類は服を着て身体を隠し、顔だけが「裸」という状態に。こうしてお互いのことを知る判断基準が顔、表情に集中することになったのです。

 猿と比べてみましょう。「ミス美猿コンテスト」があったとします。猿たちはどこのパーツを基準に美猿を選ぶのでしょう。顔でしょうか、それともお尻でしょうか。猿に聞いてみないと分かりませんが、顔だけではないはずです。

 他方、人間の場合は、その女性の色気や魅力を何に基づいて判断するかといえば、結局はほとんど顔です。

 このことからも分かるように、顔は、人体の表面積に占める割合はさほどでもないのに、さまざまな機能が集中し、人の存在の象徴であり、アイデンティティそのものになったとさえいえるのです。

 人間にとって、顔はこれほど重要なものであるにも拘(かかわ)らず、コロナ禍ではそれを隠す生活をしなければならなくなりました。人間のコミュニケーションに大きな影響を与えるのは当然のことといえます。

 では、マスクによって、我々の何が変わったのかを考えてみます。その上でヒントになるのは、新潮さんを含む週刊誌の報道です。

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