報ステ「大越健介氏」はテレ朝にとってありがたい存在 相思相愛はいつまで続くか

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

Advertisement

「I am not Abe」

 一方、早河氏がテレ朝のトップに立ってから12年。もっとも頭を悩ませたのは、間違いなく「報ステ」の生放送中にコメンテーターの元経産官僚・古賀茂明氏(66)が、「I am not Abe」と書かれたパネルを出した一件だ。2015年1月のことだった。

 当時の安倍晋三首相(67)が正しかろうが、間違っていようが、古賀氏のアピールは放送法の「政治的に公平であることを確保しなければならない」という理念に反している疑いがあった。共産党に対し同じ形でNOを突き付けても一緒だ。

 早河氏はその後の月例会見で謝罪する一方、事後処理に追われた。

 親分肌で強気の人であり、決して他人にペコペコと頭を下げるような人ではないこともあって、業腹だっただろう。

 早河氏はテレ朝報道局長(当時)が政治的公平を損なう指示を局内で出したとされる「椿事件」(1993年)も間近で見ており、政府がテレビ局に牙をむいた時の怖さもよく知っている。それだけに政治との付き合い方が分かっている大越氏はありがたい存在に違いない。

 大越氏は「(キャスターは)私見を披露するものではない。ニュースの水先案内人」と公言している。尖った人物がメインキャスターに就くより、安定感のある穏健な人のほうがスポンサーも付きやすい。高視聴率でも抗議活動や不買運動が起こるようではスポンサーが逃げてしまう。

次ページ:きっかけは「地震報道」

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。