新庄監督への「嫌み発言」で炎上の清原和博氏 コメントした切実な理由と危ぶまれる精神的な不安定さについて

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何としてでも球界に戻りたい

 デスクはさらにこう続ける。

「清原氏は新庄監督の身だしなみのことだけに触れ、プロ野球の長い歴史に鑑みてOBはそれを許さないだろうと批判しています。彼には何としてでも球界に戻りたいという気持ちがあって、それを踏まえて先達らの心のうちを忖度して放った“ポジション・トーク”だと思いました。ああいう発言は、一部であっても保守的な先輩たちの共感を得られるだろう、という計算があったのでは」

 さらにこんな指摘をする。

「YouTubeで清原氏は“先輩のことを『君づけ』して呼ぶ野球選手がいること”に驚いたとして、“自分がそんな風に言われたらローキックでヤキを入れる”“顔だとキズがわかってしまうから”などと言っていましたね。いわゆるパワハラ容認発言と受け止められても仕方がないわけで、旧態依然とした部分が残る球界の空気を代弁しているなぁと感じました。今年は日ハムで暴力事件を起こした中田翔の一件があったばかりです。清原氏の発言はコンプラやポリコレが重視される世の中で受け入れられることはなく、炎上は予想されたことでした。狙いとしては悪手だったと言わざるを得ません」

 そしてデスクは、「Youtubeで話している間、清原氏の表情に笑顔はなく引きつったままだった。せめてジョークのように捉えて振る舞っていたなら、世間の反応も違ったかもしれない」と付け加えた。

当局も警戒を強めて

 社会部デスクにも聞いてみると、

「確かに目がすわっているように見えたのがとても心配になりました。自分自身で正しいか否かの見極めを丁寧にした上での発言なのか疑問に思いましたね。清原氏が発言をするたびに質問役を務める裏方がみんな爆笑して盛り上げようとしているのも気になります。演者である彼をコントロールしてやるのが裏方の務めなのではないかなぁと思いました」

 執行猶予を終えて仕事も徐々に増え始め、野球をやめていた長男も慶応大で再開して活躍を始めて……と良い風が彼に吹いていた矢先のつまずきのように映る。

「まさにそうですね。彼は現役時代、様々な批判を受けてもホームランを打ってファンが歓声を上げてくれることで生きる希望を得ていたと語っていたことがあります。引退後にはその場がなくなってしまい、元々の寂しがり屋の性格も相まって薬物に走ってしまったと告白していました。今は取り巻きがいるように見えるとはいえ、彼らが本当に清原氏を支えてくれているのなら良いのだが、と心配になってしまいました」

 そしてこのデスクは、芸能人や有名人特有の“事情”についてこう明かす。

「有名人への薬物販売レートは一般人に比べてとても高く設定されています。逮捕されて報じられた時に売人にも累が及びかねずリスクが大きいので、通常価格にプレミアムをのせて販売するのです。普通より高く取り引きできるので、売人のネットワークは芸能人の金回りの良さには敏感になります。清原氏は以前に比べれば収入を得ているはずですし、今回の件で孤独感を深めることになるなら……と売人ならば、その精神的な不安定さを狙うことは十分ありえる。また、そうした売人の行動原理を見越した当局も警戒を強めていることでしょう」

 かつて薬物への誘惑を断ち切れない辛さを吐露してきた清原氏。軽はずみな発言への反発によって、本人の意図しないところで、その動向に注目が集まっている。

デイリー新潮編集部

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