大阪3歳児“熱湯殺害”事件、逮捕の母親は“虐待彼氏”の実家にかくまわれていた 「追い出すわけにもいけへんし」

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“子どもを作りたい”

 逮捕後、行歩は警察の調べに、「逮捕されても仕方がない」としおらしい態度を見せているというが、果たして本心か。驚くべきは、彼女が逮捕された場所、だ。

「警察が行歩の身柄を取ったのは、摂津から30キロほど南にある、松原の実家でした」

 と前出のデスクが続ける。

「そこでは、松原の実母と、その再婚相手、松原の異父弟妹たちが暮らしていますが、彼女は事件後、この一家とずっと生活を共にしていたんです」

 すなわち、我が子を殺した「カレシ」の実家にかくまわれていたわけだ。

 行歩、松原の共通の知人によれば、

「寿希は、桜利斗くんの葬儀があった9月4日の数日後には、摂津を出て、松原と二人で彼の実家に身を寄せています。その際、桜利斗くんの骨壺は現場アパートに残されたままだったとか。葬儀の時にも二人で指を絡める恋人つなぎで焼香したほど、寿希は松原にぞっこんで、その後も“たっくん(=松原)との子どもを作りたい”と言ったり、9月下旬に彼が逮捕された後も“出てくるまでずっと待っている”と言ってみたり……」

 この知人によれば、行歩は幼少時に両親から育児放棄され、児童養護施設で育ったという。頼るべき身寄りがなく、ゆえに松原家しか行き先がなかったのかもしれないが、それにしてもあまりに歪んだ光景である。

「松原の母は“あの子が拓海のことを何年でも待ちたいと言うんです。追い出すわけにもいけへんし……”と周囲に漏らしていたそうです。葬儀から5日後の9月9日は寿希の誕生日でしたが、彼女は“向こうでパーティーをしてもらうんだ”と、大きなケーキを買って嬉しそうにしていました」(同)

 異様さは増すばかり。

 松原の実家に赴き、彼の継父に声を掛けてみたが、「知らん知らん。もう(行歩は)ここにはおらんから。警察におるから」と言って再び家に入っていった。

「事件を巡っては、児童相談所に何度も虐待通報があったことがわかっている。なぜ行政が助けられなかったのか、検証が進められています」(前出・デスク)

 それをきちんと解明するしか、桜利斗くんの魂を慰める方法はないはずだ。

週刊新潮 2021年11月11日号掲載

ワイド特集「もう一つの審判」より

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