秋は「真犯人フラグ」「じゃない方の彼女」など3本 「秋元康」が企画するドラマの作られ方

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AKBに飽きた?

「元々放送作家ですから、ドラマ作家への憧れも強かったと思います。彼と同年代には北川悦吏子や中園ミホといった売れっ子もいますからね。昔は、菊池桃子が主演のドラマ『卒業―GRADUATION―』(85年・日テレ)の企画や、同じく片岡鶴太郎の『季節はずれの海岸物語』(88年・フジ)の監修などを務めていましたが、作詞の仕事が忙しくなってドラマからは遠ざかってしまいました」

 05年にはAKB48もスタートする。言うまでもないが、出す曲出す曲が売れた。

「ドラマに関わっている場合ではなかったんでしょう。作詞した曲がヒットすれば、稼ぐ費用対効果がドラマとは1万倍ほど違いますからね。粗製濫造と揶揄する声もありますが、ひばりさんの『川の流れのように』やAKBの『フライングゲット』(11年)、乃木坂の『インフルエンサー』(17年)など、じっくり吟味すると阿久悠、松本隆らと同等以上の評価がされてもいいと思います」

 AKBや坂道のヒットは今も続いているが、なぜドラマに力を入れているのだろうか。

「05年にAKB48がスタートして15年以上経ちます。おニャン子クラブは2年で終わっていますからね、飽きちゃったんでしょう」

 それで再びドラマに?

「あな番」とそっくりな「フラグ」

「AKBが主演の『マジすか学園』シリーズ(10~18年・テレ東→日テレ)の企画・原作、乃木坂が主演の『初森ベマーズ』(15年・テレ東)の企画・原案をやって、人を引きつけるストーリーづくりに磨きをかけてきました。これに目を付けた日テレのドラマ班が、企画・原案をお願いしたのが『愛してたって、秘密はある』(17年)でした。これに手応えを感じて、できたのが『あなたの番』(19年)です」

「あな番」は異例の2クール放送で、SNSでドラマの行方が考察され、尻上がりの視聴率を記録した。今期、同じ枠で放送されている「真犯人フラグ」も2クール放送である。

「スタッフも『あな番』と共通。12月には『あな番』の劇場版も公開されるので、相乗効果を狙っているのでしょう。配役も、『あな番』は田中圭、原田知世、西野七瀬、『フラグ』は西島秀俊、宮沢りえ、芳根京子……と雰囲気もよく似ています。コアターゲットのみならずシニア層も狙い、視聴率を取りに来ている感じです。ストーリーもそっくりで、西島が箱を空けて驚く《お探しものです》の文字など『あな番』と全く同じ。そっくりすぎて逆にケチを付けるところがないほど。話題にもなるはずです」

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