英国はコロナ感染再拡大でも規制強化せず…日本人には理解できない「死生観」の違い

国際 2021年11月02日

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規制措置はほぼ全廃

 10月25日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のための飲食店への営業時間の短縮要請が、首都圏でようやく解除された。東京都などで厳しい行動制限がなくなるのは、昨年11月以来だ。10月下旬の日本の新規感染者数は1日当たり50人以下と劇的に減少し、「ゼロ・コロナ」に近い状態となっている。だが、「冬にかけて再び感染爆発が起こる可能性がある」と警告する専門家は相変わらず多い。

 経済活動の本格回復への期待が高まっているものの、東京商工リサーチが10月に実施した調査によれば、70%強の企業が「緊急事態宣言の発令などに関係なく、忘年会や新年会を今冬は行わない」と回答している。コロナ禍以前の「日常」が戻ってくるかどうかはいまだに見通せない状況だ。

 日本とはまったく対照的なのは英国だ。

 英国では今年7月半ばに、コロナウイルス感染拡大防止のための規制措置はほぼ全廃され、人々は通常の生活に戻りつつある。公共交通機関やスーパーなどでのマスクは義務化されている(違反した場合は100ポンド=約1.5万円が課される)ものの、ほとんどの人がこれに従っていないという。

コロナと共存するやり方

 そのせいだろうか、ここにきて新規感染者数が再び急拡大している。

 10月下旬の1日当たりの新規感染者数の平均は約4万5000人、今年1月上旬のピーク時(約6万人)に近い水準となっているものの、ワクチン接種などのおかげで過去の感染拡大局面と比べて死者数や入院者数は大幅に減少している。しかし、医療体制は徐々に逼迫してきており、保健当局は22日、「早期に行動すれば厳しい対策を講じる必要性が低下する。在宅勤務など感染拡大を抑制するための措置の再導入に向け準備すべきだ」と提言した。

 これに対し、ジョンソン首相は規制の強化の必要性を否定した。規制の強化で社会生活や経済を犠牲にするのではなく、あくまでコロナと共生していくやり方だ。その根底にはコロナの被害が一定の範囲に収まったら「収束」とみなし、季節性インフルエンザと同等の扱いをするという決意があるのだろう。政府の方針について国民の間にも強い反発はなく、パニックが起きているわけでもない。

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