「中国は確実に台湾に侵攻する」前統合幕僚長が警鐘 沖縄の海が戦場と化す?

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台湾侵攻はいつ起こるか

〈18年10月、トランプ政権のペンス副大統領は「中国は米国を西太平洋から追い出して、米国による同盟国への援助を阻止することを何よりも望んでいる」「中国の船舶は日本が施政権を持つ尖閣諸島の周辺で、日常的に監視活動を行っており、南シナ海では、人工島に建設された軍事基地に最新鋭の対艦・対空ミサイルを配備している」と、危機感をあらわにした。

 さらに2020年7月には、ポンぺオ国務長官も「共産主義の中国と自由世界の未来」と題した講演で「今日の中国は国内ではますます独裁色を強め、国外では至るところで自由への敵意をより攻撃的に表している」「自由世界が共産主義の中国を変えなければ、中国が我々を変えるだろう」「習氏のイデオロギーは、中国共産主義による世界覇権の構築という長年の野望を特徴付けている」と、強い口調で訴えた。〉

 そして今年、アメリカには民主党のバイデン大統領が誕生した。我が国には少なからず「新政権は中国に妥協的になるのでは」と懸念する声があった。しかし、今年4月の菅義偉総理との日米首脳会談後の記者会見で、バイデン大統領は「日米同盟と我々が共有する安全保障について鉄壁の支持を確認した。自由で開かれたインド太平洋の将来を確かなものにするため、我々は東シナ海や南シナ海などの問題に関して中国の挑戦を受けて立つために、そして北朝鮮の問題にも、ともに取り組むことを約束した」と明言した。つまり、今後もアメリカの中国に対する厳しい姿勢は変わらないと考えられる。

 では、中国の台湾侵攻はいつ起きるのか。今年3月、アメリカのデビッドソン・インド太平洋軍司令官(当時)は米国上院軍事委員会で「台湾への脅威は6年以内に明らかになると思う」と証言した。私は彼が「6年以内」と明言した意味を、次のように解釈している。

 今年11月、北京で「第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)」が開かれる。すでに習氏は2期10年だった国家主席の任期を撤廃した。では、もう一つの肩書であり、共産党内における権力掌握という点で重要な「共産党総書記」はどうだろうか。

 そもそも総書記の任期には明確な規定がない。かつての指導者・トウ小平は、党の集団指導体制への移行を目指し、遺訓として総書記の任期を2期10年と定めた。が、これは明文化されていない“不文律”であり、習氏はこれを無視して3期目を狙うと見られている。

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