片頭痛を放置すると耳鳴り、抑うつ感も… 知っておくべき「三つのタイプ」とは

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一次性頭痛と二次性頭痛

 そもそも、頭痛は「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けられる。

 二次性頭痛とは、くも膜下出血や脳腫瘍などの病気が原因となって現れる「症状としての頭痛」のことだ。一方、一次性頭痛はMRIやCTスキャンによる検査で異常が見られない「痛みそのものが病気」というべき頭痛。いわゆる「頭痛持ちの頭痛」は一次性頭痛を指し、慢性頭痛とも呼ばれる。

 日本頭痛学会顧問で、埼玉国際頭痛センターの坂井文彦センター長に、より詳しく解説してもらおう。

「一次性頭痛には、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛の3種類があります。注意してほしいのは、これら三大慢性頭痛は、痛みが発生するメカニズムが異なるということです。緊張型頭痛は血管や筋肉が“収縮”することで生じますが、片頭痛と群発頭痛は反対に血管が“拡張”して起こる。そのため、治療法や処方すべき薬も違ってくるのです」

 三大慢性頭痛には、それぞれ次のような特徴がある。

「緊張型頭痛は、たとえば、パソコン作業でうつむき加減の姿勢を続けるなど、頭を支える首の筋肉に負担がかかることによって生じます。筋肉が収縮すると血行が悪化し、乳酸などの疲労物質が洗い流されないまま溜まっていく。それが頭痛に繋がるわけです。肩こり頭痛という別名がありますが、“首こり頭痛”の方が的確な表現だと思います」(同)

 次に、片頭痛については、

「端的に言えば、脳の血管が拡張して周囲に炎症を引き起こし、脳の神経を刺激して痛みをもたらすのが片頭痛です。少々専門的になりますが、まずさまざまな“誘発因子”に脳の視床下部が反応して、体内のリズムや睡眠、体温調節などに重要な役割を果たす“セロトニン”という脳内物質の量が減少します。セロトニンは顔面の感覚を司る“三叉神経”を制御しており、これが不足すると三叉神経が暴走し、“CGRP”という血管拡張物質や炎症を引き起こす物質を放出してしまう。結果、血管が拡張することで周囲の神経を圧迫。さらに、血管周辺に炎症が起きて頭痛を招きます」(同)

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