広島「鈴木誠也」流出の穴をどう埋める…「中村奨成」も候補のひとり?

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4番を打った経験がある4選手

 プロ野球のペナントレースも大詰めを迎え、選手の引退や退団のニュースも増えている。オフの動向が最も注目される選手といえば、広島の主砲、鈴木誠也になるだろう。既に、球団はポスティングシステムを利用してのメジャー移籍を容認しているとの報道も出ている。10月11日に開かれたドラフト会議では、中村健人(3位・トヨタ自動車)、末包昇大(6位・大阪ガス)という「右の強打者タイプ」の外野を指名した点も、鈴木退団を想定したと考えると、非常に納得のいくものだった。来季以降、広島は鈴木の穴をどのように埋めていくのだろうか。

 まず、考えなければならないのが、4番打者の後釜問題だ。過去3年間で鈴木以外に4番を打った経験がある選手は、松山竜平や長野久義、西川龍馬、林晃汰の4人の名前が挙がる。試合数と経験という意味では、松山と言えるが、来年で37歳となる年齢と今季の成績から考えると、シーズンを通じて活躍は難しそうだ。松山より1歳上の長野もまた、同様の理由から4番を任せることは現実的ではない。

鈴木を上回る林の成長スピード

 そうなると、西川と林が有力となるが、タイプ的に考えると、林が筆頭候補となりそうだ。2018年のドラフト3位で智弁和歌山から入団し、1年目から二軍で積極的に起用されると、3年目となる今季は6月からサードのスタメンに定着した。夏場は少し調子を落として苦しむも、9月以降は復調して、シーズン二桁ホームランをマーク。高校卒3年目でのホームラン10本到達は、広島では、前田智徳や江藤智、堂林翔太に次いで4人目の快挙で、ここまでの林の成長スピードは、鈴木を上回っている。

 高校時代からパワーはあったものの、バッティングでのタイミングのとり方が安定せず、確実性に大きな課題を抱えていたが、今季の打撃を見ると、着実に成長してきた印象だ。左投手を苦にしておらず、逆方向に大きい当たりを打てる。チームの将来を考えても、林の抜擢が、鈴木の穴を埋める“最も妥当な選択”といえる。

 また、鈴木がチームを離れると、それが及ぼす影響は打線だけではない。鈴木は、過去5年で4度のゴールデングラブ賞を獲得するなど、リーグ屈指の強肩を誇る外野手。守備面で穴を埋める選手が必要になる。冒頭でも触れたように、今年のドラフトで中村と末包という社会人外野手を獲得したのはプラスだとはいえ、当然、現有戦力からの底上げも必要になるだろう。

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