岸田首相の実行力は未知数 枝野代表の本気度に疑問符 見極めるべき公約の実行力とは?

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 衆議院選挙の投開票日まで1週間を切りました。メディアは各党の公約を盛んに比較しています。しかし、選挙向けにバラ色の公約を掲げるだけなら誰でもできる。重要なのがその公約に裏付けを与え、実現する実行力です。実行力を検証するとそれぞれのリーダーの資質も見えてきます。【青山和弘/政治ジャーナリスト】

消えた「岸田カラー」

 岸田首相は首相に選ばれてまだ20日ほどしか経っていません。その実行力を測るには、この短い間にも自分が言ってきたことに信念を持ち、前に進めようとしているかで見ていくほかありません。しかし岸田首相は早くも、いくつかの主張の修正・封印に追い込まれています。

 自民党総裁選挙の時に掲げていた「令和版所得倍増」「健康危機管理庁の設置」「金融所得課税の強化」などは、所信表明以降まったく聞かれなくなりました。首相周辺によれば、イメージが先行しすぎたり、さらに検討が必要だったり、政策の優先順位の問題だと言うことですが、主張する時点でどこまで本気で実行するつもりだったのか疑われても仕方ありません。

 ある首相側近は「岸田さんはまだ慣れていないんだよ。もっとうまく修正できるのに」と擁護しますが、これから国や政権に不測の事態が起こった際に「慣れていない」を理由にされても困ります。

 そして公約の柱と言っていい「成長と分配の好循環」についても「新しい資本主義を実現する」という言葉は踊りますが、具体的にどの程度、何をしようとしているのかは不透明。これでは公約を達成したかを選挙後に測ることができません。

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