中国でウルトラマンの動画削除の動き 思想粛清に躍起「文化大革命さながら」

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中国共産党の哲学とは相いれない

「むしろ内容が問題では」

 と語るのは、ウルトラマンにも詳しい評論家の唐沢俊一氏だ。ティガは、平成の世に復活したウルトラシリーズの第1弾で、クオリティの高さがファンに評価されているそう。優秀なSF作品に贈られる「星雲賞」も受賞したほどで、

「単に襲い来る怪獣や侵略者を撃退するのではなく、登場人物の内面も重視され、怪獣がなぜ存在するのか、ウルトラマンの正義とは何かを考えさせる。物語が重層的で、子どもから大人までの視聴に堪える作品です。しかし、中国共産党にとって正義は一つ、思想は一つ。ティガの世界観とはそもそも相いれない」

 つまり、映像よりも哲学が不都合だったらしい。抗議が殺到したせいか、ティガは一部シーンをカットしたうえで配信が再開されたものの、いつまた削除されないとも限らない。

週刊新潮 2021年10月14日号掲載

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