「斎藤佑樹」が引退 田中将大に三戦全敗…プロ11年間の“苦闘”のベストピッチは?

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 日本ハム・斎藤佑樹が今季限りで現役を引退する。早稲田実エース時代の2006年夏、駒大苫小牧と延長15回引き分け再試合の末、優勝投手になり、“ハンカチ王子”の愛称とともに社会現象になった。早大でも通算31勝を挙げ、10年のドラフトで4球団競合の末、日本ハムに1位指名で入団したが、プロ11年間の通算成績は15勝26敗。故障との闘いに明け暮れた最後の4年間は、1勝もできなかった。

12のうち8人までが日本ハム勢

 プロではお世辞にも成功したとは言えない斎藤だが、球界でも数少ない“華のある選手”として人気を博し、プレーにおいても、ファンの記憶に残るシーンが少なくない。本日の引退登板を前に、斎藤のプロ生活11年間の“苦闘の歴史”を振り返ってみよう。

 斎藤が“持っている男”であることを改めて証明したのが、11年4月17日のプロデビュー戦、ロッテ戦である。プロ初先発初登板のマウンドに上がった斎藤は初回、井口資仁に先制2ランを許すが、その裏、ホフパワーの逆転満塁弾が飛び出すなど、味方打線の強力援護を得て、5回を6安打4失点で、勝利投手になった。

 最大の山場は、5回にエラー絡みで2点差に迫られ、なおも2死一、二塁の場面。梨田昌孝監督は交代も考えたそうだが、斎藤の球に切れがあるのを見て、続投させた。斎藤は見事信頼に応える。カットボールで4番・金泰均を三ゴロに仕留め、勝利投手の権利を得て降板。そして、6回から5投手の無失点リレーで、同期のルーキーでは一番乗りのプロ初白星。4失点しながら勝利投手になったのは、やはり強運の持ち主と言うしかない。

 試合後、お立ち台に上がった斎藤は「野球を始める前からの夢が、お立ち台に立つことでした。夢が叶えられてうれしい」と目を潤ませた。同年は、オールスターにもファン投票の先発投手部門でトップ選出。指名打者を含む全ポジション12のうち8人までが日本ハム勢と、まさに“斎藤効果”だった。

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