「おかえりモネ」「青天を衝け」、秋の新作も異色の作品 NHKのドラマが攻めている理由

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こちらも民放ではできない作品

 次の作品も民放では簡単には制作できそうにない。やはり攻めている。木村多江(50)と安藤玉恵(45)がW主演する、よるドラ「阿佐ヶ谷姉妹の のほほんふたり暮らし」(月曜午後11時45分)である。11月1日にスタートする。お笑いコンビ・阿佐ヶ谷姉妹によるエッセーが原作だ。

 なぜ、民放では制作しにくいかというと、民放は若い役者を主演に据えるのが定石化している上、それまでに主演で実績が十分ある人を優先して起用するから。そのほうが、スポンサーを説得しやすいのである。

 半面、木村も安藤も演技は抜群にうまい。木村は2010年に映画「東京島」に主演。無人島に男たちと一緒に流され、やがて女王として君臨する女性を演じ、高い評価を受けた。

 そして安藤である。早大第二文学部在学中に演劇サークル「早稲田大学演劇倶楽部」に所属し、芝居を始めた。リアルな演技を見せ続け、ファンが多い。

 出演作は数え切れないほどあるが、2009年のTBS系「深夜食堂」での踊り子・マリリン松嶋役が印象深い。深夜食堂の常連で、いつも明るく振る舞っているものの、深い悲しみを抱えていた。

 朝ドラと大河を除くと、NHKドラマの視聴率は低い。民放と違い、番宣が少ないせいもある。だが、ドラマも含めたNHKの番組は視聴者共有の財産。放置してしまうのはもったいないだろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月14日掲載

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