「真似されるのも政治家の才能」清水ミチコがものまねしたくなった総裁選候補とは

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ものまねされたほうが勝ち

 最近は、ライブでものまねをすると、後でお客さんから「あんなことをして清水さんが叱られないか心配です」とかアンケートに書かれてしまう時代です。どうしても、ものまねって意地悪なところがあるものですからね。特に女性が女性のものまねをすると意地悪く見える。その意地の悪さがものまねの面白いところなんですけど、だんだん難しくなってきていて……。

 そんな時代の流れの中で、権力者や政治家は、ものまねタレントにとって最後の砦、最後の楽園なのかもしれません。私が年下の芸能人を真似すると、ちょっと弱い者いじめをしているみたいな感じになってしまうところがある。でも、政治家だったら年下だとしても、立場は向こうのほうが強いから、かわいそうだとはならないように思うんです。

 もともと政治家とか権力者って、パロディー化しやすい。一度ああいう身分になってみたいという気持ちと、同時に、だから冷やかしてみたいという気持ちが世間の人の中にあるからじゃないですかね。私自身も、権力者や強い人に憧れます。例えば小池さん(百合子・東京都知事)も真似させてもらっていますが、英語混じりで、言葉を区切る喋り方は個性的です。強くて芯のある女性は、やはりものまねしたくなるんですよね。

 今の時代、ものまねして冷やかしても「大丈夫」な対象ってなかなかいません。ものまねされるのも、政治家の才能のひとつなんだと思います。ものまねする側の私なんかより、人間、ものまねされたほうが勝ちだと思うんです。たくさんの人にものまねされる人は、みんなの憧れ、庶民の星だと思ってください。

 というわけで、私にものまねされている政治家のみなさん、怒ったりしちゃダメですからね。ビクビク。

週刊新潮 2021年10月7日号掲載

特集「謀略の人間喜劇 『河野太郎』『岸田文雄』を踊らせた『安倍前総理』」より

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