フジ、月曜は9時に続き10時から綾野剛「アバランチ」を放送 ドラマ「2階建て」の勝算は

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連ドラが消えた火曜は

 一方、連ドラが消えた後の火曜はどうなるのかというと、バラエティー一色に。関テレの午後7時台では関西ローカルの情報バラエティー「ちゃちゃ入れマンデー」が放送されている。同8時台も関西ローカルのトークバラエティー「やすとも・友近のキメツケ!」を放送中。

 同9時台には「所JAPAN」を置く。9月までは月曜同10時台で全国ネット放送されていた関テレ制作の教養バラエティーだ。火曜同10時台はやはり全国ネットのバラエティー「火曜は全力!華大さんと千鳥くん」を据えている。

 一方、フジは火曜午後7時台と同8時台で「今夜はナゾトレスペシャル」などのクイズ番組を放送する。関テレとは完全に別路線だ。

「なぜ、火曜午後7時台と8時台も全国ネットにしないのか」という声も上がるだろう。そのほうが効率的だ。けれど、「秘密のケンミンSHOW極」(日本テレビ系)を見ても分かる通り、何事にも地域性がある。

 関東の番組が関西で受け入れられるとは限らない。特にバラエティーはその傾向が強い。笑いのツボが違うからだろう。

 9月21日の火曜午後7時台と同8時台の番組視聴率はこうだった。

■フジ「潜入!リアルスコープ」(午後7時から2時間、情報バラエティー)世帯6.5%、個人全体3.8%(ビデオリサーチ調べ、以下同)

■関テレ「ちゃちゃ入れマンデー」(午後7時台)世帯8.4%、個人全体4.8%「やすとも・友近のキメツケ!」世帯6.9%、個人全体5.7%

「ちゃちゃ入れマンデー」は東野幸治(54)とメッセンジャーの黒田有(51)らがMCを務めるナニワ色満載の番組。「やすとも・友近のキメツケ!」は海原やすよ(45)ともこ(49)、友近(48)が好き勝手にしゃべりまくる。

 どちらも関東では受け入れられそうにない。一方、「リアルスコープ」も笑える部分や突っ込む要素が皆無なので、関西での成功は難しいのではないか。

 関東の人気番組が関西でも当たるとは限らない。同じ火曜の午後7時台に日本テレビ系列で放送されている情報バラエティー「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」の9月21日放送分で比較してみたい。

■日本テレビ 世帯11.6%、個人全体7.0%

■読売テレビ 世帯7.9%、個人全体6.5%

 関西のほうがかなり低い。この日に限ったことでなく、この番組は視聴率の東高西低が常態化している。「人情」が売り物の番組でもあるので、関西でもウケそうなのだが、何かが噛み合わないのだろう。

 この番組は名古屋の中京テレビが制作している。お膝元の東海地区の視聴率はどうかというと、世帯12.9%、個人全体7.6%。日テレより高い。

 飲食店の大盤振る舞いがこの番組の見どころの1つだが、名古屋名物として知られるのは飲食店のデカ盛り。喫茶店が出血覚悟のモーニングセットを提供しているのも特長。そんな地域性があるので、この番組が発想されたのだろうし、高視聴率の背景にも名古屋の土壌があるのだろう。

 もっとも分かりやすい地域性がTBS「東大王」(水曜午後7時)。大阪の毎日放送はネット放送していない。以前は放送していたが、降りた。

 もともと関西では知識量だけを競うクイズ番組は人気薄。その上、東大より京大と阪大を好む風潮が強いからだろう。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月4日掲載

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