フジ、月曜は9時に続き10時から綾野剛「アバランチ」を放送 ドラマ「2階建て」の勝算は

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問題は「アバランチ」の内容

 問題は引っ越しによって生まれる午後10時台の「アバランチ」(18日スタート)である。主人公・羽生誠一に扮する綾野剛ら6人のアバランチが悪を倒すピカレスク・エンターテインメントらしいが、詳細は放送開始当日まで明かされない。

 アバランチはアウトロー集団なのだという。ウェブ上の短い告知動画に登場する綾野の雰囲気も思いっきり悪そうだ。右手には吸いかけのタバコを手にしている。

 2003年に健康増進法が施行されて以降、タバコはドラマにはほとんど映らなくなったから、珍しい映像だ。放送でも登場したら、賛否両論が巻き起こるに違いない。

 チーフ演出家は関テレのスタッフではない。日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した映画「新聞記者」(2019年)や話題沸騰となった同「ヤクザと家族 The Family」(2021年1月公開)などを撮った気鋭の藤井道人監督(35)だ。「ヤクザと家族」の主演も綾野だった。

 実質的にドラマを制作するのも綾野が所属する芸能プロの映画制作部門「トライストーン・ピクチャーズ」。綾野や小栗旬(38)、坂口健太郎(30)らを育てた同社の山本又一朗社長(73)は日本を代表する映画プロデューサーの1人なのだ。長谷川和彦監督(75)による歴史的名作「太陽を盗んだ男」(1979年)を制作したのも山本氏である。

 綾野の持ち味を知り尽くした一流の映画人たちによってつくられる「アバランチ」。完成度には期待できそう。10月期ドラマで屈指の注目作と言っていい。ただし、だからといって当たるとは限らない。ぶっ飛んだドラマになり、視聴者がついていけない可能性もある。

 もう1つ。なぜ放送開始日を「ラジエーションハウスII」と合わせなかっただろう。こちらは4日からで「アバランチ」は18日から。分かりにくい。「科捜研の女」と「ドクターX」はともに14日。このほうが視聴者を取り込みやすいはずだ。

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