「第二の広島・栗林」を探せ!ドラフト注目の「即戦力リリーフ」5人の名前

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オープン戦で最速156キロ

 横山と同じ東京地区では、小孫竜二(鷺宮製作所)も候補となる。9月23日に行われた都市対抗予選のJPアセット証券戦では立ち上がりから150キロを超えるストレートを連発し、チームの勝利に貢献した。横山、小孫とも変化球には課題が残るが、短いイニングであれば、球威で圧倒できるので、中継ぎとして面白い存在となりそうだ。

 実績はないものの、にわかに注目を集めているのが柴田大地(日本通運)だ。日本体育大ではトミー・ジョン手術を受けた影響もあり、公式戦の登板は0。オープン戦でもわずか2試合に登板しただけだったが、素材の良さが評価されて日本通運へ入社している。

 2年目の今年に入ってようやく実戦復帰すると、5月に行われたJABA東北大会では2試合、2回を投げてパーフェクト、3奪三振と好投。オープン戦では最速156キロをマークするなど、徐々にその才能を開かせつつある。細かいコントロールや決め球となる変化球などは課題が残ることから、即戦力というよりも2年目以降に勝負というタイプだが、そのポテンシャルの高さは大きな魅力だ。

貴重な左の中継ぎ

 一方、独立リーグにも期待の候補がいる。石森大誠(火の国サラマンダーズ)は、抑えとして大活躍を見せている。遊学館では控えに甘んじるも、東北公益文科大で大きく成長。昨年はチームの前身ともいえる社会人野球の熊本ゴールデンラークスでプレーしている。

 全身を大きく使った躍動感溢れるフォームから投げ込むストレートはコンスタントに150キロを超え、鋭く変化するスライダーも大きな武器である。独立リーグでの1年目となった今年は、抑えとして35回1/3を投げて防御率1.78、60奪三振(奪三振率15.28)という成績を残した。時折コントロールが乱れることはあるものの、ソフトバンクの三軍を相手にも圧倒的なピッチングを見せており、貴重な左の中継ぎとして高い順位で指名される可能性もありそうだ。
 
 プロでは、栗林以外にも高梨雄平(巨人)や石山泰稚(ヤクルト)、祖父江大輔(中日)、福敬登(中日)、富山凌雅(オリックス)、酒居知史(楽天)、嘉弥真新也(ソフトバンク)など社会人出身のリリーフ投手は多く活躍している。今年の候補からも、彼らのようにブルペンを支える存在が多く出てくることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮取材班編集

2021年10月2日掲載

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