Uber配達員が語る「コロナ禍のフードデリバリー」 2000人調査で判明「不快な経験」は18.6%

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配達員は汚い?

 コロナ禍でますます利用者を増やすフードデリバリーサービスだが、そうした中持ち上がったのが、コピーライターの糸井重里氏(72)のツイートで指摘された配達員の衛生面やマナーの問題である。

「ウーバーイーツ?って頼んだことないんだけど、配達してくれる人の服装の清潔感とかサンダル履き禁止とか自転車の汚れ方とかについてのルールはないみたいだね」(2021年8月31日)

 今年6月には、タレントの今田耕司氏(55)もウーバーイーツの配達員について以下のようなコメントをしている。

「夏、ものすごい暑いとき、汗だくの汚い配達している人を見たときに『イヤやな』って思って」(「櫻井・有吉THE夜会」〈TBS系〉)

 たびたび話題になる配達員の衛生面やマナーの問題だが、フードデリバリーサービスを使って不快に思ったことはあるかを問うと、「不快に思ったことがある」は18.6%、「ない」は81.4%と、不快な経験をした人は、およそ2割にとどまった。

 さらに、サービスを利用していて気になったことを複数回答で尋ねたところ、「気になったことはない」が40.3%と最も多く、次いで「料金が高い」は35.2%、「衛生面への不安」は15.6%だった。

 ほかには、「配達時間が遅い」(12.4%)という声も多く、以下のような経験談が寄せられた。

「1時間ぐらいで着くといわれたピザが2時間半待たされた」
「最初に提示された予定時間より40分ほど遅れて配達されたが特に謝罪はされなかった」
「道に迷ったのか、なかなか届かなかった」
「ずいぶん待たされた後で商品が用意できなかったと連絡が来たことがあった」
「とにかく遅い場合がある。食事が冷める」

「住所を知られることについての防犯上の不安」も11.2%に上り、「誰が配達に来るかわからない不安」や「防犯面を考えて、宅配の受け取りは旦那に頼む」といった声も上がった。

「実は、配達員側も危険な目に遭っている人が結構いるんです。配達員の顔写真がアプリに表示されるので、女性だとわかると家で全裸で待機するお客さんもいるそう。支払いを現金にすると、配達員と対面する時間も増えますから、それを利用して女性配達員にセクハラをするという話も聞いたことがあります」(渡辺氏)

服装規定はなし

 衛生面への不安については、下記のような声が上がっている。

「街中で待機している人たちがバッグを地べたに置くのがすごく不快、それに食べ物入れるなんて汚い」
「配達員の身だしなみがなっていない(汚い)。飲食を扱うのであればある程度の清潔感は保ってほしいと思う」
「配達員の服装が乱れている、またタバコのにおいがした」
「配達員がタバコ臭かった」

 これについて渡辺氏は、

「糸井さんが言うように、ウーバーの配達員には服装に関する規定はありませんし、マナーの研修などもありません。中には汚い服を着た人や普通の接客業じゃありえないような対応をする人もいると思います。配達員になるために面接を通過する必要もなく、基本的に希望すれば誰でもなれるので、仕方がないでしょう。一方で、採用の間口が広いことは社会のセーフティーネットの役目も果たしていると思います。実際、去年の4月末頃には、新型コロナの流行で収入が減った人が配達員を始め、一気にその数が増えたので8時間待っても仕事が回ってこないこともありました。配達員の報酬は週払いなので、例えば土日に働けば、次の火曜日には現金が手に入る。様々な背景を持った人が配達員になれる今のシステムのおかげで、安価な料金設定や配達時間の早さを実現しているわけです。世の中に様々な人がいるように、配達員にも様々な人がいることを理解したうえで、利用していただけるとありがたいですね」

 この記事はデイリー新潮とYahoo!ニュースによる共同企画です。アンケートの回答者の割合は、20代が7%、30代が21%、40代が32%、50代が26%、60代以上が11%で、男女比は男性が59%、女性は39%でした。職業は、会社員が最も多い53%、専業主婦(主夫)12%、アルバイト10%、自営業・フリーランス10%などでした。

デイリー新潮取材班

2021年10月2日掲載

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