東京都医師会・尾崎治夫会長はコロナそっちのけで政治活動 2億円超の献金、ワインを贈呈

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「結構安く入るんです」

 医師会というと自民党と近いイメージが強いが、尾崎会長の“交友範囲”はそこにとどまらない。10月3日に投開票される東京・武蔵野市長選挙では革新系の現職、松下玲子市長に肩入れしているのだ。

「9月24日には松下市長の支援団体が集会を催す予定になっているのですが、そのポスターには市長だけではなく、弁士として尾崎会長も名前、顔写真入りで載っています。医師会幹部が特定の候補者のための、いわゆる“2連ポスター”に堂々と登場するのは異例です」(政界関係者)

 問題の集会は緊急事態宣言が延長されたことにより、松下市長や尾崎会長が直接会場に姿を現すことはなくなった。ちなみに尾崎会長は武蔵野市民だというが、ここまで熱心に応援する理由はそれだけではない。

「松下市長は『武蔵野市PCR検査センター』を市営で設置し、その業務を医師会に委託しました。多額の委託料が入るPCR検査センター業務は医師会にとっておいしい仕事。その恩があるので尾崎会長は応援に前のめりになっているのでしょう」(同)

 尾崎会長本人は何と言うか。自身が院長を務めるクリニックで聞いた。

――多額のカネを国会議員などに配っている。

「東京都選出の国会議員っているんですよ。そんな中でちゃんと、我々のためにしっかり働いてくれている人には重点的に」

――ワインも配っている。

「そういうのをやるのがどうこうと言われちゃえばそれまでだけど。業者さんとちょっとお付き合いがあって、皆さんが普段飲まないようなものが結構安く入るんです」

――国が医師会に強く言えないのは多額の献金があるからではないか。

「普通の議員の方(医師会系以外)にはパーティー券にしても1口や2口でお付き合い程度。我々に強く出たり、面と向かって批判したりする方は確かに少ない。それは医療を軽視する議員が少ないからです」

 武蔵野市の松下市長との付き合いは長い?

「彼女が都議会議員の時からで、前回の市長選もある程度は応援した。今回も松下さんがコロナ禍でも医師会と協力してやって下さっているから応援しましょう、となって……」

 特定の人物の選挙にまで首を突っ込むことは珍しくない、と主張するのだが、

「松下市長は昨年、東京都が吉祥寺駅前のホテルをコロナの宿泊療養施設にしようとした際に反対し、そのせいで開設が3カ月も遅れた。よりによってコロナ対応に“後ろ向き”ともいえる市長に都医師会会長が肩入れするなど、あってはならないことです」(政府関係者)

 ワイン片手に札束の配り方を思案し、コロナそっちのけで選挙応援。これが医師会の真の姿である。

週刊新潮 2021年9月23日号掲載

特集「『2億円献金』『ワイン贈呈』で権益死守 『尾崎治夫東京都医師会長』はコロナそっちのけで政治活動」より

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