河野政権なら安倍・菅時代の側近政治が継続 焦点は4度の危機も生き残ったあの補佐官

国内 政治

  • ブックマーク

“河野政権”でどうなるか

 そんな中、今回の総裁選をめぐってある自民党議員は、こう口にした。

「河野さんが総理になったら、安倍・菅時代と同じで側近政治になるのは間違いない」。

 安倍官邸は安倍の考え方に近い官僚を重用し、異見を述べる者は遠ざけた。菅は前述の通り和泉を重用する一方で、官房長官時代は内閣人事局という武器を最大限に利用。一部の重用された側近だけが「官邸官僚」と呼ばれて巨大な権力を手にし、忖度が激化することとなった。

 そして河野は突破型の政治家と呼ばれ、一度こうだと決めたら他人の言うことを聞かない。患者搬送後の救急車が帰り道に高速道路を使うと有料になる地域があったが、河野は、昨年10月、これを一律無料にした。こうした規制改革を可能にしたのが大臣直轄チームだ。河野は規制改革担当大臣に就任するやいなや役所の課長級を集め、自分が直接指示を下せる体制を作った。救急車の高速道路無料化を発表する河野の後ろには、お小姓よろしく直轄チームのメンバーが立っていた。このようなごく少数による側近政治は意思決定のプロセスが早くなる一方で、「道鏡」を生み出しやすく、トップの責任も曖昧になる。河野も二言目には「オレが責任を取る」と言うが、大臣は1~3年、早ければ数か月で交代するため、残された者たちが尻ぬぐいをすることになる。

 側近は政策立案能力に長け、ある意味汚い仕事でも引き受ける度胸がなければ務まらない。そうなると横車や公私混同、忖度など悪弊も生まれやすい。君側の奸という言葉もある。側近政治間違いなしと言われる河野内閣が誕生した際、和泉のような人物、あるいは和泉そのものを使い続けるのか……。

 異例な和泉の長期重用を決めたのは菅と言われる。菅の影響力が増し、安倍の影響力低下を測る格好の物差しになりそうだ。

武田一顕(たけだ・かずあき)
元TBS北京特派員。元TBSラジオ政治記者。国内政治の分析に定評があるほか、フェニックステレビでは中国人識者と中国語で論戦。中国の動向にも詳しい。

デイリー新潮取材班編集

2021年9月24日掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]