「反社とは解約も」東京ガスの新方針に警察幹部から驚きの声 今後のターゲットは?

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当面のターゲットは?

 冒頭の警察幹部は「個人宅のガスを止めてしまうというのは、やはり現実味が薄いと思いますよ。ガスが無くても、オール電化に変えれば良いが、そうしたら電気や水道はどうするのかという話になりますよね。あっちをやって、こっちをやらないというのは矛盾します」と指摘する。

 別の警察幹部も続ける。

「おそらく東京ガスも今回の約款の変更で、組員らの個々の自宅のガスまで止めることは想定していないと思いますね。無理に進めれば、当然、人権問題としてハレーションを起こしてしまう。だから当面のターゲットは暴力団の事務所などでしょう。中でも抗争などで使用制限の対象となっている組事務所などの施設であれば、実際に人は住んでいないので、ガスを止めても人権蹂躙と非難されることもありません」

 暴力団の構成員は年々減少していく一方、暴走族グループOBらによる半グレの台頭や、彼らと暴力団が連携した犯罪も後を絶たない。近年は高齢者らから多額の現金を詐取する特殊詐欺や、国境を跨いだ金融機関からの一斉引き出しなど、反社の絡む犯罪はより水面下で進行していく。暴力団の排除と共に、これらの犯罪にどう対処していくべきか、捜査当局と民間企業の連携も今後、新たな局面を迎えていくのだろう。

デイリー新潮取材班

2021年9月24日掲載

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