河野太郎は永田町に友達がいない? スタンドプレーに党重鎮から苦言、防衛大臣時代の失態とは

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父の轍

「富士山のような人」という譬(たと)えがある。遠くで見ると美しいが、実際に近寄ると……という意味だが、なるほど河野大臣の「発信力」「突破力」「合理性」も、具(つぶさ)に見れば、確固たる信念に基づく、というより、条件反射的に他者を攻撃しているだけ、とも見える。

「やっぱり変な男ですよ」

 と繰り返すのは、前出の自民党関係者。

「ウオーキングが趣味なんですが、大臣になってSPが付くようになるとそれを引き連れて歩くのが面倒くさい。で、議員宿舎の廊下を歩くようになりました。ジャージを着た河野さんがイヤホンを付けて同じところをグルグル回っている。それが不気味だと、話題になっていました」

 河野氏は2009年に総裁選に初出馬している。その際、全面支援した一人が世耕弘成・参院幹事長だが、

「その後、世耕さんが民主党の女性議員と再婚した後のこと。与野党議員の結婚で、周囲は腫物に触るような雰囲気の中、河野さんが平場の会議で“奥様は自民党に入党しないんですか”と尋ね、場が凍り付いたことがあります」

 なるほど、友達はできそうにない……。

 河野事務所にこれらの点について尋ねたが、回答はいただけなかった。

 9月10日、河野氏は出馬会見を行った。その席では「脱原発」「女系天皇の検討」など、従来の持論を封じ込め、「変節した」と批判を浴びたのは周知の通り。

「議員票を獲得するため、安倍前総理や、麻生元総理など“右寄り”な大派閥のボスたちに配慮をしたわけです」(前出・デスク)

 しかし、河野氏とは初当選同期の仲である、渡辺喜美・みんなの党代表は言う。

「彼は決断力、行動力に優れた政治家だと思っていますが、会見は歯切れが悪かったですよね。大胆な発言が魅力ですが、意外と現実的。ついに総理になれなかった父の轍(てつ)は踏みたくないと思っているのでしょう。ただ、その現実路線が、思い切った政策という彼の魅力を減じているような気がして残念です」

 乾坤一擲の作戦が、吉と出るか凶と出るか。

 トップを走る河野大臣だが、選挙戦はまだまだ長い。

週刊新潮 2021年9月23日号掲載

特集「乾坤一擲『総裁選』の顔 『河野太郎』は変な男」より

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