「聖徳太子の偽1万円札」を使って逮捕されたべトナム人 「北関東」「タンス預金」が関係か

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外国人に白羽の矢

「私の知り合いの不良たちは、ベトナム人であっても日本人であっても、こうした発見されづらい空き巣行為を繰り返して、タンスに入れられたままになっていた古い旧1万円札、旧1000円札を手に入れていましたね。問題は、盗みが発覚した場合は銀行などで換金すると足がついたり、ばれていなくても店の支払いで使おうとすれば不審がられたりするため、使う際に困る。

 ですから、こういう盗んだ金を使う要員として、逮捕のリスクをよく分かっていない、生活に困窮して後先考えない外国人たちに白羽の矢が立つ。ターゲットにされたベトナム人不良グループが、空き巣で得たお札を使ったり、偽造したんじゃないかと思います」(M氏)

 M氏の話によると、偽札かどうかわからないが、北関東でも旧1万円札を見かけることはよくあるという。

「北関東地方から都内へは小一時間程度で移動できるので、ヤクザや不良外国人などのアウトローもよく行き来しているんですよ。それに、ベトナム人不良グループは、SNSで全国のベトナム人たちと繋がって協力を仰ぎ、犯罪を行う特徴があります。だから、偽札が都内にも流れたんでしょう」

透かしは大した技術ではない

 しかし、ベトナム人不良グループが、旧1万円札を偽造するほどの技術を持っているのだろうか。逮捕されたベトナム人らが使用した偽札は、透かしまで入っている高度なものだと報道されている。そう簡単に偽造できるものとは思えない。

 偽札事情に詳しい東京都内在住のS氏が、偽造技術について詳しく教えてくれた。

「精巧な聖徳太子の偽札というと北朝鮮が製造したと見られているスーパーKを思い出すね。90年代に頻繁に使用された精巧なスーパーKと呼ばれる偽札は、米国版の偽100ドル札で有名だけど、日本の偽1万円札もあったんだよ。ただ、透かしを入れるのは高度な技術が必要と言われるものの、偽札業界ではもう何十年も前から研究しているし、言われるほど大した技術ではない。他国より技術が遅れているとされる北朝鮮だって精巧な偽札がつくれたんだから、ベトナム人不良グループでも覚えられると思うよ」

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