セブン-イレブンに並ぶ「ダイソー」「ロフト」 大手コンビニが日用品に力を入れる理由

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 コンビニの文房具や洗剤は高いからめったに買わない――。飲みものや食べ物は購入しても、日用品はコンビニではなくドラッグストアやスーパーで済ませるという方は多いのではないだろうか。実際、これまでコンビニ各社の売上に占める日用品の割合は、決して高くはなかった。だがここにきて、大手3社がいずれも日用品の取り扱いを拡大しているのだ。

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 ローソン発表の資料によると、2020年の商品別売り上げのうち、日用品をふくめた「非食品」が占める割合は9・4%だった。飲料や酒、たばこなど「加工食品」が53・4%、サンドイッチなどの「ファーストフード」が22・1%、生鮮食品などの「日配食品」が15・1%であることを鑑みると、いかにコンビニで「非食品」が購入されていないかがわかる。

「『非食品』にジャンル分けされるものには雑誌なども含まれますから、純粋な『日用品』となると、実際は3%弱であるとも言われています」

 とは、マーケティングアナリストの渡辺広明氏の解説だ。基本的に定価で販売されるコンビニの日用品は、ドラッグストアやディスカウントストアなどに比べて、消費者に割高と捉えられがちだ。深夜にティッシュを切らしたことに気づき慌ててコンビニで買う……といった“緊急購買”が、コンビニの日用品の主な需要だったとされる。

 だが、最近は各社がユニークな取り組みを行っている。

セブン店内に黄色い看板

 セブン-イレブンでは、昨年末から一部の店舗で100円ショップ「ダイソー」の商品を置く実験をはじめた。文房具などのほか、カー用品など普段コンビニでは扱われない商品を取りそろえ、実験店の雑貨売り上げは1割アップしたという。ダイソー取り扱い店舗は、年内に200店まで拡大の予定だという。

 これと並行し、6月からは「ロフト」の商品も扱う店舗が現れた。実験店のひとつ、東京・赤坂の店を訪れると、〈Loft SELECT〉の黄色い看板が設置されたスペースがあった。RHIDIAのメモ帳や酒粕マスクなど、やはりコンビニでは見かけない文具・コスメが並ぶ。

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