セブン-イレブンに並ぶ「ダイソー」「ロフト」 大手コンビニが日用品に力を入れる理由

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PBと無印良品で世界観

 ローソンも、既存の小売ブランドとの共同を模索している。パートナーにしているのは「無印良品」だ。店舗での実験は昨年6月から始まっており、その模様は「ローソンの『無印良品』販売、ファミリーマートの失敗から学ぶ戦略は…」(20年6月22日配信)でもお伝えした。当初の3店舗から、現在までにおよそ100店舗にまで取扱店は拡大している。

 先のセブンの「ロフト」コーナーが棚2つ程度であったのに対し、ローソンの「無印良品」は大々的にスペースを割く。7つもの棚で扱う店舗もあり、化粧水からカレーまで、およそ500の品を扱うという。昨年、ローソンはプライベートブランド(PB)商品のデザインをシンプル路線に一新し話題になったが、それらと共に「無印良品」が並ぶ店内は統一感があるように見えなくもない。

 PBのデザインリニューアルはローソンの竹増貞信社長の強い意向があるとされ、無印良品についても《商品に刺激を受けています。私もいろんな商品を使っていますが、飽きがこず自然体な感じがいいですね》と語っている(「AERA」2021年8月30日号より)から、無印良品の取り扱いによる“世界観づくり”も目指すところなのかもしれない。

ファミマの衣料品PB

 そんな無印良品は、19年1月末までファミリーマートで取り扱われていた。無印が“撤退”したファミリーマートは、現在、衣料品PBブランドに力を入れている。20年6月からスタートした「コンビニエンスウェア」だ。

 当初は関西店舗限定だったが、今年3月からは全国の店舗でも取り扱いがはじまった。ファセッタズム(FACETASM)のデザイナー・落合宏理氏が監修のもと、下着や靴下タオルと言った普段使いの品をラインナップしている。この6月にはコカ・コーラとのコラボレーショングッズも発売されている。先の2社とはまた異なり、自社ブランドに力を入れる取り組みだ。業界誌記者は次のように解説する。

「無印良品を扱っていた時代は、販売価格を占める無印良品の“取り分”が大きく、PB展開と比べると店舗の利益率が20%低くなってしまい、それがファミマにとってネックだったといいます。他の2社と異なり、既存の小売ではなく自社ブランドを積極的に展開する背景には、無印時代の教訓があるのかもしれませんね」

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