「小石河連合」は意外とうまく行っていないところが「河野太郎」のアキレス腱に

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エネルギー政策が仇に

 さらにエネルギー政策についても言及し、〈河野さんはいろいろ攻撃されていますが、なぜ攻撃されるかというと最大の既得権益と戦っているから。カーボンニュートラル(脱炭素社会の実現)は産業構造も転換しなくてはならない。そこに負けないようにするには国民、党員の支持を基盤にした改革への挑戦を続けなければならない〉と訴えていた。

「父・純一郎首相ばりに安倍・麻生連合を旧勢力、抵抗勢力と見立て、自分たちが改革派だと言ってのけたわけですが、裏返せばそれくらい敵を作って『小石河劇場』を演出し、世論を喚起しなければならないほど永田町では人気がなく、議員票が望めないということなんですよね」

 と、自民党のある閣僚経験者。

「河野さん自身がその後、テレビ番組に出演した際に、“(安倍・麻生両氏と)別に決別する必要はない”と言っていましたが、小泉発言でかなりハレーションが起こっていますね。エネルギー政策についても脱原発が革新的だと訴え続けていますが、“電力の安定供給なしに経済成長なし”というのは自明のこと。現状、その最適解は原発なわけで、河野さんのエネルギー政策は原発を抱える各地の党員・党友、そして議員に影響を及ぼしつつあります」

 実際、東奥日報は14日付で《核燃サイクル河野氏発言が青森県内で波紋》というタイトルで、〈自民党総裁選の有力候補の一人、河野太郎氏の核燃料サイクル政策は止めるべきだとする発言が青森県内で波紋を広げている。再処理工場をはじめ関連施設が集中立地する青森県の関係者らは総裁選の動向を注視。青森県の自民党国会議員からは「支持できない」と反発の声もある〉と報じている。

河野さんのような劇薬は要らない?

 続いて石破氏については、

「石破さんに手下が50人いたら話は別ですがそうではない以上、“出馬したくてもできなかったんでしょ、仲間が少なすぎて”というのが見え透けている。麻生さんとの確執について、報道とは言えないような番組で語っていましたが、あれも不評でしたね。“あんなこと言わなきゃいいのに”とか“なんだかんだ言った割に謝ってないよね”とか、まぁ散々な言われようでした。国民の人気は高いかもしれませんが、アンチ安倍・麻生票を期待するとして、そういった党員・党友がどれくらいいるのか、というのはなかなか未知数だと見ています」(先の閣僚経験者)

 前出・デスクに総括してもらうと、

「今のところ、守旧派vs改革派の二項対立で総裁選を捉えようという傾向があるように感じますが、そんな単純なものではないと思います。二階幹事長のクビに鈴をつけたのは岸田さんであって、そういう意味では一番の改革者と言えるかもしれませんし……」

 加えて、自民党の支持率自体は下がっていないことに注目し、

「これが下がっているなら“自民党に革命を!”などと言って、河野さん的なショック療法が求められるのでしょうが、このまま推移すれば、来る総選挙で自民党はそんなに議席を減らさずに済みそうだと見られています。つまり、追い風で当選してきて逆風を経験していない3回生以下の約100人もそこそこ助かりそうだとなった時に、河野さんのような劇薬は要らないということになるのかもしれません」

デイリー新潮取材班

2021年9月19日掲載

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