苦しい巨人の起爆剤、新外国人「ハイネマン」に過度な期待は禁物【柴田勲のセブンアイズ】

スポーツ 野球 2021年9月14日掲載

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手先だけで打っている

 首の皮一枚というより首の皮三枚つながったと言ってもいい。巨人が12日の広島戦(マツダ)で10試合ぶりに勝利した。先発したエース・菅野智之が中4日の先発で広島打線を7回1失点に抑えれば、女房役の小林誠司が決勝弾を放ち1点差で逃げ切った。

 首位の阪神がDeNAに敗れたためゲーム差は「3」、危険ゾーンを脱出して追撃の態勢をとることができた。

 日本ハムから電撃移籍した中田翔が2軍落ちした。移籍後、16試合で40打数6安打、打率1割5分、1本塁打だった。2軍での再調整もやむをえないところだった。

 今季は日本ハム時代から成績が振るわなかった。後輩への暴行事件から巨人に移籍して打ちたい、活躍したい、なんとかしたい。気持ちばかりが先走っている。前回も記したがもっとゆっくり大きくバックスイングを取って投手に対することだ。いまは手先だけで打っている。これだと速い真っすぐには差し込まれて、変化球には泳ぐ。タイミングがうまく取れない。若い時は不調時でもパワーがあるからなんとかなっていたが、32歳になり腰の状態もよくないと聞く。悪循環にはまっている。とはいえ、まだまだ老け込む年齢ではない。

長嶋さんも打撃指導

 12日、イースタン・リーグのロッテ戦(浦和)では「4番・DH」で出場し、逆転の決勝2ランを含む5打数4安打5打点と打ちまくった。ファームで緩い球を投げる投手には対応できる。レベルが違う。打てない苦悩から精神的にも参っていたのだろう。今回の2軍落ちはいい調整になるはずだし、阿部慎之助2軍監督も親身になって指導するに違いない。もともと、原辰徳監督は中田の打力を高く評価していた。13日には長嶋(茂雄)さんがジャイアンツ球場を訪問して中田に約40分間に亘って打撃指導をした。丸が2軍落ちした時も指導したが、ミスターはよっぽど中田の状態が気になるのだろう。打撃指導もそうだが、中田にとってモチベーションが上がるはずだ。

 巨人にとって踏ん張りどころだ。残り32試合、阪神とは7試合、ヤクルトとは8試合残している。24日から東京ドームに阪神を迎えての3連戦があるが、その時までにゲーム差を3、もしくは2にしておくことが必須だ。これ以上離されてはならない。

 それにしても巨人の戦いは苦しい。11日の中日戦(東京D)から新外国人、スコット・ハイネマン外野手(28)※を「7番・右翼」でスタメン起用した。中田を落として代わりに昇格させた格好だ。来日初打席で右中間二塁打を放った。12日は「3番・右翼」に抜擢した。丸佳浩とゼラス・ウィーラーの調子が良くないことからの起用だろうが、当てにせざるを得ないチーム事情、つまり辛さが透けて見える。前半戦のウィーラーの活躍をイメージしたのだろう。さらに起爆剤の役割を期待したのかもしれない。だが、新外国人だけに力は未知数だ。

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